社長の辞めさせ方を巡り、ここまで騒動が大きくなった例はかつてあっただろうか。住設・建材大手のLIXILグループ。前CEOの解任プロセスを問題視する株主と会社側が対立を深めている。会社側か、株主側か。どちらに経営のかじ取りを任せるのか。まもなく開かれる株主総会は、さながら「政権選択の場」になる。欧米流のコーポレートガバナンス(企業統治)が広がり、株主の影響力が強まる中、説明できない不透明な意思決定プロセスには厳しい制裁が待っている。その究極のガバナンスが、正しく社長を辞めさせること。まずは、LIXILで何が起きていたのか、その舞台裏から見ていこう。