フィリップス、シーメンス、ネスレ、BASF……。欧州の名門企業の業績が好調だ。営業利益率は10%水準に達し、時価総額で日本の同業を上回る。聖域なき構造改革を断行し、リーマン・ショックや欧州債務危機から完全復活を果たした。日本企業は経営モデルとして米国を手本にしてきたが、歴史や雇用の重さなど共通点が多いのはむしろ欧州企業だろう。時として改革を阻む「伝統」の壁をどう打ち破ってきたのか。日本企業が学ぶべき点がある。
シリーズ
欧州リストラの極意 復活した巨人たち

完結
4回
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シーメンスCEO「事業は切り分けても教育費は惜しまず」
欧州の名門企業の中でも特に事業構造改革を大胆に進めているのが、独シーメンスだ。工場のデジタル化に注力する一方、中核事業だったエネルギー事業の切り離しを断行するなど、15年間で全事業の5割を入れ替えた。同社のジョー・ケーザ…
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東レ日覺社長、「日本のガバナンス改革には問題がある」
東レの日覺昭廣社長は米国とフランスの子会社で経営を経験し、今も世界の経営システムを研究している。米国の金融資本主義は、株主価値だけを求めるために格差を拡大するなど様々な歪みを生んでいると批判。日欧の経営システムはそうした…
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三菱ケミ小林会長「日本企業は利益の食い合いをやめろ」
三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長は2007年の社長就任以降、常に事業ポートフォリオを見直し、数々のM&A(買収・合併)を仕掛けてきた。しかし、自社や日本企業全体を振り返り、事業構造改革は不十分だという認識だ。小…
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ソフトバンク孫会長が指摘した日本企業最大の問題点
日経ビジネス5月27日号の特集「欧州リストラの極意 復活した巨人たち」では、歴史ある欧州の名門企業が、大胆な事業の入れ替えによって復活を果たした実例を紹介した。日本との共通点も多い欧州企業の動きは成長の限界を突破する大き…
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全8回