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 実際にこの機器を利用している医師はどう受け止めているのか。京都大学病院眼科の村岡勇貴医師は「ディープラーニングによってきれいになった画像が実際のものと同じかどうか心配していたが、杞憂(きゆう)に終わった。高い水準で多くの患者さんを診ることができる」と太鼓判を押す。

 東京女子医科大学病院眼科の丸子一朗医師も「患者さんの検査が早く回るようになれば、スタッフにもメリットになる」という。以前は複数回にわたって撮影しており、しかも患者によって撮影回数を変えていた。

 ちなみにキヤノンの装置でも取り入れた「OCTA(光干渉断層血管撮影)」と呼ぶ画像処理技術を使った診断では2018年、当局に承認され、医療保険の対象になった。オリンパスも3月、内視鏡の画像をAIが分析して大腸がんなどの診断を支援するシステムを発売した。

 医療分野のAI導入では米国が先行するが、日本でも国内の医療現場では医師の不足やそれに伴う過重労働が深刻になっているだけに、急速な普及が期待される。

日経ビジネスの5月20日号特集「AIバブル 失敗の法則」では、「使えないAI」に失望を隠さないAI研究の第一人者らに取材。AIの今後を追った。