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 日立製作所が日本で前例が多くない職務給という給与制度を取り入れて4年が過ぎた。ポストにひもづけて報酬の水準を決めるもので、「ジョブ型」「役割給」とも呼ばれる仕組みだ。日経ビジネス4月22日号の特集「強くなれる給料」でも紹介したように、労働市場での価値を明確にする制度は、グローバルに事業を広げていくうえで欠かせなかった。

 4月1日、日立製作所のグループ企業で40代の社長が誕生した。家電メーカーと販促会社が合併して同日発足した日立グローバルライフソリューションズ。年間売上高は5000億円規模でグループの中核企業の一角を占める。社長に就任した谷口潤氏は46歳だ。

 年功の色合いが濃かったかつての日立グループでは考えられない若手の登用といえる。谷口氏の直近のポストは日立本体の制御プラットフォーム統括本部情報制御第三本部長。経営の軸として掲げるIoT事業を手掛け、最大級の評価を得たとみられている。

インフラ事業を中心にグローバル展開を進めた(英国に納入した鉄道車両)

 2009年3月期に製造業として過去最悪の赤字を計上した日立は、この10年間で何もかもが変わった。海外に打って出るしか生き残るすべはなくなり、海外売上高比率は14ポイント増えて55%になった。30万人以上いる従業員も、海外人員が14万人を占めている。

 グローバル化を進めるうえで避けて通れなかったのが給与制度改革だ。海外で事業を広げようとしたら「日本だけ制度が異なるのでは立ち行かなくなった」と人事担当の中畑英信執行役専務は語る。外国人が次々に入社し、日本人と肩を並べて働き始めたためだ。