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 かつて携帯電話は大手企業しか開発できなかった。だが、現在は多くのスマートフォンメーカーが林立する。これらのメーカーを“黒子”として支えているのが、台湾の半導体設計・開発大手、聯発科技(メディアテック)だ。CPU(中央演算処理装置)やGPU(画像処理半導体)などを組み合わせた、コストパフォーマンスに優れたSoC(システム・オン・チップ)と呼ばれる半導体製品を販売。スマホメーカーはこれを採用すれば製品が簡単に開発できるようになった。メディアテック は5G時代をどう見据えているのか。総経理の陳冠州氏に聞いた。

5Gの到来によってスマホ向け半導体をめぐる競争環境はどう変わりますか。

聯発科技(メディアテック)総経理・陳冠州氏(以下、陳氏):4G対応スマートフォンが2011年に発売された当時の市場規模は約4億~5億台でしたが、現在の市場規模は15億台になりました。それを後押ししたのが利用用途の拡大と、それを支える技術の革新です。

聯発科技(メディアテック)総経理・陳冠州氏

 4G時代に入ってから、メディアやゲーム、写真などの駆動能力が非常に高まりました。大容量、低遅延などの特徴を持つ5Gでは、ビデオ、ゲーム、音楽など、より多くの利用用途でイノベーションが起きるでしょう。

 技術面では、コンピューティング処理能力、ネットワーク性能、画像や動画などマルチメディアの処理能力の3つに注目しています。

 まずコンピューティング能力については、従来のCPU(中央演算処理装置)、GPU(画像処理半導体)に加えて、AI(人工知能)処理を担当する半導体「APU」が重要になります。当社は昨年末に(CPUとGPU、APUを組み合わせた)新しい製品「Helio P90」を発表し、世界で最高の性能を実現しました。ネットワーク性能については、5Gにおいては省電力、よくつながること、そして通信が切断されないことがさらに重要になります。当社が得意とするマルチメディア技術にも、さらに磨きをかけていきます。