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いよいよ本題になりますが、小島さんが身を置くゲーム業界では、5Gでどんな変化があるのでしょうか。

 グーグルのクラウドゲームの発表だと、手元に専用ゲーム機がなくなり、ディスプレーさえあればストリーミングで本格的なゲームができるようになります。「YouTube」で人のプレーを見ている視聴者が、そのゲームにそのまま参加できるようになります。ですが、これは序章にすぎません。

コンテンツの垣根がなくなる

 ストリーミングがさらに進化すれば、ゲームと映画やドキュメンタリーなどの映像コンテンツが、同じ土俵に乗るようになります。これが一番僕が望んでいる未来なんですね。そうなれば何が起こるか。ネットフリックスなどで、映画とゲームを同じ画面上で選べるようになります。「インタラクティブなゲーム」と「非インタラクティブな映画」、これまではコンテンツの質が180度違いましたが垣根がなくなってくるでしょう。

 既にこうした動きは出ています。ネットフリックスで昨年配信された動画コンテンツ「ブラック・ミラー:バンダースナッチ」がそうです。視聴者が主人公の行動を要所要所で選択することで物語が進んでいきます。インタラクティブなゲームに近づいたわけです。映像作品としての評価はさておき、ネットを中心にざわつきが起こりました。

映画などの動画コンテンツは、既にゲームに近づいていると。

 「バンダースナッチ」は映画でありながらゲーム寄りの作品といえるでしょう。ストリーミングの進化で、互いにもっと近づいていきます。

 ゲームも劇的に変わるでしょう。これまでのハイエンドゲームは当然残りますよ。ただテクノロジーで、ドンドン新しいシカケができるようになる。僕自身、忙しいのですが、新たな領域で爪痕を残したいですね。

クラウドゲームの登場で、ゲームの競争軸が変わるのでしょうか。

 変わるというよりは、広がるイメージです。映画が見るだけのものから変わりつつあるように、ゲームも1人で遊ぶだけだったものが、ネットで遊べるようになった。次は自分が遊んでいるゲームをリアルタイムに誰かに見てもらえるようになり、その視聴者はそこからすぐに参加して遊べるようになっています。

 その先にもどんどん広がります。ストリーミングなので、サーバー側で1フレームごとの画像処理をします。そうなれば、いろんなことができます。