センサーで“日常”を可視化。QOL向上+介護人財の育成も

松本:「グランダ四谷」では、ご入居者お一人おひとりの睡眠や排泄、活動状況などをセンサーで毎日可視化していきます。私たちにとって大切なのは、その可視化されたデータを、ご入居者個々に違う「ありたい姿・状態」に照らし合わせながら、QOL向上に向けて読み解いていくことです。

祝田:そのときに、「サーナビ」の記録が役に立ってくるんですよね。

松本:そうなんです。24時間365日、介護スタッフはご入居者のいちばん近くで、長い時間を一緒に過ごさせていただいています。だからこそ、普段の生活や何気ない会話、表情、しぐさからも、その方らしさを感じることができ、小さな変化にも気づくことができます。これは、「人」だからこそできることで、介護スタッフだからこその強みです。「サーナビ」には、そんな介護スタッフたちが日々感じていることや考えていることが記録として蓄積されています。ただ、介護スタッフ全員がセンサーのデータや「サーナビ」の記録を、きちんと読み解けるとは限りません。気づきはたくさんあっても、さまざまなデータを読み解き、ご入居者それぞれのQOLを向上するには、研修と実践を通しての一定の学びが必要なんです。

祝田:そこで登場するのが「マジ神」。「マジ神」は、豊富な知識と実践知に裏付けされた、記録やデータを読み解く力を持っています。「グランダ四谷」には、その「マジ神」の知見・観点を教師データとしたAI=「マジ神AI」を開発して導入していきます。「マジ神AI」では、センサーデータや「サーナビ」記録をダッシュボードで見せるとともに、そこから読み解かれた、「着目しなければならない観点」を提案してくれるソリューションの構築を予定しています。

松本:「マジ神」ほどの知識や実践知がない介護スタッフでも、「マジ神AI」のアシストがあることで、ご入居者の「ありたい姿・状態」や「現状」を読み解き、仮説を立てやすくなります。スタッフが立てた仮説を実践してみて、ご入居者のQOLが向上する実感を持つことで、さらに気づきの感度が上がり、読み解くための思考プロセスと観点が育成されていくという好循環が生まれてきます。

祝田:ホームでの実践に加えて、介護スタッフ向けの研修にも活かしていくことで、人財育成の質が深まると同時に習熟のスピードもアップしていきます。結果として、ご入居者のQOL向上の事例が、数多く生み出されることにもつながっていくと思います。

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