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一人ひとりに合わせた学習サポートを行う「クラスベネッセ」

クラスベネッセ千里中央校 クラスマネージャー 沼本翼 氏

 一方、クラスベネッセは、進研ゼミを活用して自宅学習を効率的に進めるための教室だ。全国に59教室(2019年9月10日時点)あり、生徒は1回80分のレッスンを受けるために、定期的に通っている。

 進研ゼミは赤ペン先生の応援を受けながら、自分で勉強を進められるように組み立てられている。しかし、それでも自学自習がむずかしい生徒もいれば、もっと進研ゼミを活用し、学習を深めたいと考える生徒もいる。そこで、コーチがついて一人ひとりに合わせた学習サポートを行おうというのが、クラスベネッセの狙いだ。

 「とはいえ、教室のレッスンだけで学力を伸ばそうというわけではありません。解き方を教える場合もありますが、基本はコーチング。つまり、生徒が自分で勉強できるように、テキストを使った学び方やノートの取り方などを教えています。計画性が身についている生徒には、より発展的な内容を学べる勉強方法を提示しています」と話すのは、クラスベネッセ千里中央教室クラスマネージャーの沼本翼氏だ。

 クラスベネッセは、小学4年から中学3年までの生徒を受け入れており、レッスンの曜日と時間が決まっている。生徒一人ひとりに担当コーチがつく。

 コーチの役割の1つに、担当する生徒に合わせた目標設定と勉強計画立案がある。最初に1週間の学習を振り返ってから、次週の目標と勉強計画を立てていく。

 目標は「1日10分間机に座ってみよう」というレベルから、「入試問題に挑戦しよう」といったレベルまで多様であり、生徒とコーチ、クラスマネージャーの二人三脚で設定していく。その上で、その目標をクリアするための実現可能な1週間分の勉強計画を、生徒と話し合いながら決めていく。

 クラスベネッセの理念は、「勉強はもっと楽しめる」。その理念を体現するために、「自ら学ぶ力を伸ばす指導法」にこだわり、クラスベネッセコーチが、一人ひとりの生徒に寄り添っている。

 「クラスベネッセの最大の強みは、理念と現場がつながっている点です。コーチは理念を現場レベルまでしっかり落とし込み、この生徒が自主的に勉強できるようになるには、あるいは勉強を楽しめるようになるには、今、ここでどんな声かけを行えばいいのかを、日々模索しています。それが成績アップや合格実績に結びついているのです」(沼本氏)

コーチの徹底的な寄り添いで自学自習力を高める

写真上:左からクラスベネッセ千里中央校 コーチ 藤 麻由佳 氏 玉井陽菜 氏
写真左下:コーチは曜日ごとにチームを組み、目標を設定し、取り組んでいる
写真右下:マイステップノートを通じて自ら学ぶ力を育てていく

 クラスベネッセコーチのほとんどは元進研ゼミの受講生だ。千里中央教室の藤麻由佳コーチは、「中学生を受け持つことが多いのですが、学校での人間関係の悩みなどがあると勉強に向かう気にならないものです。そんなときは、じっくり話を聞くことで勉強へのモチベーションを高めるようにしています。『恋ばな』を聞かせてくれるなど、生徒との信頼関係ができてくるのがうれしいですね」とやりがいを語る。玉井陽菜コーチも「まずは、教室に来ることを楽しんでもらえるように心がけています。計画通りに勉強できなくても、少しでもできたら褒め、できなかった場合は、『どうして?』『次はいつやろうか?』と声かけを続けていると、計画的に勉強するようになってくれます。生徒の生活習慣づくりに貢献できることは大きな喜びです」と話す。

 コーチの採用にあたって沼本氏が重視しているのは「生徒から見て、憧れの存在になるような人」だという。

 「自分が頑張っていることや将来の夢などを熱く語れる人を採用するようにしています。優れた自学自習教材がベースにあり、勉強を教えることだけが求められることではないため、学力だけでなく熱意や小中高時代に尊敬できる経験がある人に来てもらっています」(沼本氏)

 ティーチングではなくコーチング──これがクラスベネッセを語る上でのキー概念だ。もちろん、コーチングにも様々なスキルが必要だ。

 まずは研修を行い、基本的な業務マニュアルも整備した上で、それをきちんとこなすことが第一段階だ。ただ、対人間である以上、マニュアル通りにいかない。そこから先は、コーチ同士の学び合いでコーチングスキルを高めていく。

 「これをしてくださいと私から言うことはほとんどありません。コーチ自身がクラスベネッセの理念に即して自ら解決策を考えられるように、たとえば、『家庭での学習を身につけてもらうためにはどうしたらいいだろう?』と質問を投げかける場合の方が多いですね」(沼本氏)

 すべてのレッスンが終わると、その日のコーチが全員集まって終礼を行っている。木曜日のリーダーを務める玉井コーチは、「生徒のことをコーチみんなで考えるような時間にしています。指導や声かけでの悩みを出しあい、その生徒がより良い方向に向かえるように話し合っています」と話す。一方、月曜日のリーダーの藤コーチは、「生徒のつまずきの原因を早期発見したいと思っています。そのため、『マイステップノート』を活用して、子どもたちの学びへのモチベーションを少しでも高められるように、情報共有に努めています」と話す。

 沼本氏は、「課題を1つクリアするたびに生徒の喜ぶイラストを書いてやる気を刺激しようとしたり、共通の趣味の話から始めて勉強に誘導したりと、コーチは一人ひとりの生徒のために、とことん寄り添います。その熱意が生徒を動かしているのです。学習に前向きな気持ちが行動として表れ、立てた学習計画に沿って自宅で勉強できるようになるなど、自学自習力が伸びている変化を感じた保護者から『うちの子は本当に変わりました』と言われるときが、最もうれしい瞬間です」と笑顔で語る。

 次回は、2020年の教育改革で注目が集まる英語教育に関して、ベネッセの意欲的な取り組みについてリポートする。

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