追体験できるような形で、ポイントとなる行動を紹介

ボストン コンサルティング グループのクライシスマネジメントの特徴をお話しください。

内田:1つ目がトップマメジメントと現場のサポートを両輪で行うことです。経営トップの覚悟が必要であることはもちろんですが、特に日本企業ではミドルマネジメントが動かないと変革は起こせないと考えています。そのコンサルティングスタイルが、危機が起きたときに現場で起こっていることに関する情報収集と、トップに対して適切な判断や問題解決をサポートすることに生かされます。2つ目がクライシスに直面した企業で問題を解決してきた経験をもつ「BCG・SWAT」という専門家チームが対応することです。危機の種類に応じて、サイバーセキュリティなどの専門家が必要に応じて加わります。3つ目がチームは現場に入って、社員と一緒になって情報を集め、かつ経営者の横で意思決定をサポートすることです。コンサルタントとしてデスクプランを提示するのではなく、現場でともに炎上を鎮火させる活動に携わります。また要望に応じて、CRO(Chief Risk Officer)的な役割の専門家も派遣します。クライシスに直面すると、刻々と状況が変化しますし、その場その場でベストな判断が求められます。企業がもっていないその部分を補完する形で、サービスを提供します。

「BCG・SWAT」チームは現場でどのような対応をされるのですか?

田中基:クライシスは、多様な状況に対処できる一騎当千のコンサルタントが数名いれば、最初の3日ほどで冷静な対応ができる体制、場、プロセスを整備できます。SWATチームは、顧客企業から依頼を受けた日の夕方には、企業のウォールームで対応を始めます。そして、他のプロフェッショナルチームと連携しながら、短期間で力を発揮していきます。

内田:社内のメンバーに加えて、社外の弁護士やIT等の専門家とも協働します。法律的な観点とビジネス的な観点を考慮しながら、チームの中で何が最適解かを明らかにしていきます。

田中玲:危機発生後にやるべきことで、一番大切なのは第1ステップの緊急対応初動「トリアージ(Triage)」プログラムです(図)。これを間違えるとさらに炎上して、収束時期が延びてしまいます。この初動100時間プログラムの構築と実行ができれば、第2ステップのクライシスマネジメント「トリートメント(Treatment)」プログラム、第3ステップの体質改善・再発防止「トランスフォーメーション(Transformation)」プログラムに進みます。その結果、再発防止だけでなく、体質改善やガバナンスの強化、クライシス対応強化などの副次的効果が生まれます。

危機発生後にやるべきこと<br />出典:ボストン コンサルティング グループ
危機発生後にやるべきこと
出典:ボストン コンサルティング グループ

2022年2月にクライシスマネジメントをテーマとしたウェビナー開催を予定されています。その見どころを教えてください。

内田:実際にクライシスが起きると、どんな状態になるのか、経営陣はどんな状況に追い込まれるか、どのようなアクションで解決に向かっていくのかをできる限りリアルに再現しながら、ポイントとなる行動を解説します。クライシスを体験した人はあまりいないと思うので、具体的にイメージできるような形で見ていただきます。

田中基:多くの人が現場でひやりとした経験があるはずです。危機の火元になるような事象が日々起きています。それが燃え広がったら、どうなるのか。今回のウェビナーで日々感じていることに照らし合わせながら、見ていただければと思います。

田中玲:危機に陥るプロセスと、収束に向かうプロセスの例を用意しますので、両方を追体験してほしいと思います。そこからひとつでも多くの示唆を得て、今後に活かしていただけるとうれしいです。

関連サイト
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