提供:PwC Japanグループ

PwC Japanグループは、日本・中国・米国・英国の計1万2000人を対象とする「サステナブル消費者調査」を2022年1月に実施した。日本でもサステナブル消費の兆しは見え始めているが、盛り上がりを妨げる“3つの壁”があることが浮き彫りとなった。

日本の消費者は本当にサステナブル商品を望んでいないのか?

 米国・ニューヨーク市では9月19日から25日まで、気候をテーマにした世界最大規模のイベント、クライメート・ウィーク(気候週間)が開催中だ。同イベントのように、SDGs、サステナブル推進のアクション、働きかけが全世界で加速している。

 一方、日本国内ではどうだろうか。

 「日本企業の経営者の中には、『環境や人権などに配慮したサステナブル商品を販売しても、買ってもらえない』と感じている方が少なくないようです。本当にそうなのだろうか?という素朴な疑問をきっかけに、2020年から『サステナブル消費者調査』を実施しています」と語るのは、PwC Japanグループ サステナビリティ・センター・オブ・エクセレンスでリードを務める磯貝友紀氏である。

(右)PwC Japanグループ サステナビリティ・センター・オブ・エクセレンス リード 磯貝友紀氏/(左)PwCコンサルティング合同会社 パートナー 屋敷信彦氏
(右)PwC Japanグループ サステナビリティ・センター・オブ・エクセレンス リード 磯貝友紀氏/(左)PwCコンサルティング合同会社 パートナー 屋敷信彦氏

 サステナビリティ・センター・オブ・エクセレンスは、日本企業のサステナビリティ経営を包括的に支援するため、20年に本格的に活動を開始した組織だ。「戦略コンサルティングから税務、法務に至るまで、PwC Japanグループ全体の専門性を総動員して、企業の経済価値と環境・社会価値を同時に向上させるサステナビリティ経営の支援を行っています」(磯貝氏)

 海外での勤務経験が長く、欧米のグローバル企業を数多く支援してきた磯貝氏は、11年に帰国して以来、日本の企業経営者と海外の経営者とのサステナビリティ経営に対する温度感の違いを痛感し続けている。その根底にあるのは、日本の企業経営者が抱く「日本の消費者はサステナブル商品を望んでいない」という先入観ではないかと考え、その実態を消費者調査によって検証することにしたのだ。

 「20年に実施した調査は、日本の消費者だけを調査対象にしていましたが、22年の調査では、比較検討できるように中国、米国、英国の消費者も対象に加え、調査結果を公表しました。日本と海外とのサステナブル消費に対する意識の違いが、より鮮明になったのではないかと思います」(磯貝氏)

調査結果を示すだけでなく、長期的なトレンドの行方も洞察

 今回の「サステナブル消費者調査」は22年1月に実施された。4カ国でそれぞれ3000人ずつ、計1万2000人の消費者にウェブアンケート調査を行った。Z世代(18~24歳)、ミレニアル世代(25~38歳)、X世代(39~53歳)、ベビーブーム世代(54~73歳)の4つの世代区分に従い、各国の世代ごとの人口構成比に応じてサンプルを収集している。なお、中国については、都市部居住者を主な回答者としている。

 また、この「サステナブル消費者調査」には、現状の調査結果だけでなく、「どんな変化の兆しが見えているのか?」「長期的にはどのようなトレンドが描き出されるのか?」といったPwC Japanグループによる洞察も盛り込まれている。

 磯貝氏は、「サステナビリティ経営では、大きな潮流がどこに向かっているか、未来を考えることがとても重要です。PwCは未来の変数として、『規制の動き』『人々の価値観』『テクノロジーの新たな潮流』の3つを見ることが重要だと考えています。このうち『人々の価値観』を見る上では、今回の調査結果が非常に参考になると思います」と語る。

次ページ 他国に比べて、日本ではサステナブル商品の購入経験が少ない