提供:リクルート

今シニアの転職市場が拡大している。年齢で選考が不利になるのではとささやかれていた時代は終わりつつある。キャリアを棚卸しして“ポータブルスキル”を可視化することで、転職の可能性は広がるのだ。

左から株式会社リクルートキャリアの藤井薫氏、杉江則子氏、平野竜太郎氏
左から株式会社リクルートキャリアの藤井薫氏、杉江則子氏、平野竜太郎氏

“35歳限界説”はもはや存在しない

 昨今、50歳以上のシニアの転職マーケットは、右肩上がりで伸びているという。リクルートキャリアの転職決定者データによると、2009年度に比べて2018年度は3.34倍になっている。

<出典>リクルートキャリア 転職決定者データ
<出典>リクルートキャリア 転職決定者データ
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「読者の方のイメージする転職のボリュームゾーンは20代、30代だと思いますが、昨今の転職市場において“年齢の壁”は溶けつつあり、50歳以上のシニア転職者が増えつつあります」

 そう説明するのは「リクナビNEXT」の藤井薫編集長である。

株式会社リクルートキャリア<br>リクナビNEXT編集長<br><span class="fontBold">藤井 薫氏</span>
株式会社リクルートキャリア
リクナビNEXT編集長
藤井 薫氏

 昨今のシニア転職者の特徴は、転職先の業界・職種の多様性にある。ほぼ、あらゆる業界・職種で採用が増えているが、その中でも積極的に採用しているのは、建設・不動産業界や電気・電子・機械業界メーカーである。「メーカーのエンジニアの場合、大学院卒で入社して年功の賃金で終身雇用、というイメージがありますが、実際は50歳以上の中途採用が増えている。“35歳プログラマー限界説”とささやかれ続けてきたIT通信やインターネット業界においても採用が活発に行われており、シニアの転職のチャンスは広がっているといえます」。

 藤井編集長によれば、シニアを積極的に採用する企業に共通するのは、年齢よりも、転職者その人が持っている実力を見極め、正当に評価しようという姿勢だという。

「人材不足が課題になっている今、事業を加速し、変革しようとする企業は、年齢ではなく実力を持っている人を見極め、優秀な人材を確保しています。年齢を超えて実力で判断し、ふさわしい処遇をすることで、企業の持続的な成長を目指しているのです」

業種や職種、地域を超えてチャンスが広がっている

 転職者側から見れば、とくにシニアの場合、業種や職種、地域を超えてチャンスが広がっている。ともすれば転職に当たって、同業種・同職種の似たような環境の転職先を探してしまいがちだが、例えば家電メーカーでなくても化学メーカーのマネジメント、同じ卸売業でもネット業界のロジスティクス、あるいは勤務地が東京ではなく山形、同業種でも規模や成長ステージが違う会社など、経験値が高い分、自分の持っているキャリアが違う業界や環境で生かされるケースは意外と多いのだ。

「シニアの転職者で成功している方は、自分のキャリアをいったん棚卸しして、自らの実力や価値を把握されている方が多いです。棚卸しして視野を広げることで、可能性の幅は広がります。日本の労働市場には隠れた人材の宝がたくさん眠っているのに、十分に生かされていない状態にあります。今後多くの企業が、年齢にとらわれず、個人の持っている能力を正しく評価すれば、隠れた人材が開花するチャンスは増えると思います」と藤井編集長は、シニアの労働市場の継続的な拡大を予測する。

続きを読む 2/2 建設・不動産業界はなぜシニアを積極的に採用するのか

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