提供:江崎グリコ

世界の研究によって、健康維持に貢献するエビデンス(医学的根拠)が集積しているナッツ類。なかでもアーモンドは、オレイン酸やビタミンE、食物繊維など、コレステロールの増加や、老化の原因となる酸化、糖化のリスクを抑える成分を豊富に含む要注目の食品だ。自らもナッツを毎日とることを習慣にしているという東海大学医学部の川田浩志教授に、日経BP総研メディカル・ヘルスラボの藤井省吾所長が、多岐にわたるアーモンドの最新エビデンスについて聞いた。

「ナッツは食べ過ぎ注意」の認識はもう古い

藤井省吾所長(以下、藤井):川田先生は、ナッツ摂取を推奨され、ご自身も毎日ナッツをとっていらっしゃるそうですね。数ある食品のなかでも川田先生がナッツに注目されたのは、どのような理由からでしょうか。

川田浩志教授(以下、川田):少し遡りますが、1970年ごろから地中海沿岸地域の伝統的な食事スタイルである「地中海食」が心臓病による死亡リスクを下げることが報告され、世界の研究者が注目するようになりました。地中海食とは、野菜や果物、ナッツや全粒穀物、オリーブオイル、魚介や豆類などを主体とした食事法で、近年に至るまで数多くのエビデンス(科学的根拠)が集まっています。

 この食事法の大切な要素であるナッツについて、注目すべき研究成果が2013年に報告されました。世界で最も権威ある医学雑誌の一つである「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」において、約300万人を対象にした大規模追跡調査で「ひと握りのナッツ摂取(1日28g以上、週2回以上)で死亡リスクが13%低減する可能性がある」と発表されたのです。疾患別にみると心疾患、呼吸器疾患等の死亡リスクを低下させることが分かりました[1]

藤井:そのようなエビデンスがあるにもかかわらず、ナッツには「脂質が多いから食べ過ぎてはいけない」というマイナスのイメージを抱くなど、まだ誤解している方が多いようですね。

川田:おっしゃるとおりです。ナッツをつまんでいると「太るからやめたほうがいい」と言われたりもします。大学で講義の感想を学生たちからもらうと、「ナッツが健康にいいというのが意外だった」「親に教えたらびっくりしていた」といったコメントが多いので、ナッツの健康効果についてもっと広く知られるべき、と考えています。ナッツは脂質が多いから太る、生活習慣病になる、といった認識は改めるべきです。

米国の約12万人の肥満ではない男女を対象に、様々な食品の1日あたりの摂取量の増加と4年間の体重変化の関係を分析した。ナッツは、野菜や果物、全粒穀物、ヨーグルトと同様に体重減少に関係していた。(データ:N Engl J Med. 2011 Jun 23;364(25):2392-404.)
米国の約12万人の肥満ではない男女を対象に、様々な食品の1日あたりの摂取量の増加と4年間の体重変化の関係を分析した。ナッツは、野菜や果物、全粒穀物、ヨーグルトと同様に体重減少に関係していた。(データ:N Engl J Med. 2011 Jun 23;364(25):2392-404.)

川田:例えば、食べた食品と体重変化を4年間追跡した大規模調査からは、ナッツは、野菜や果物、全粒穀物やヨーグルトと同等のダイエット効果があることが分かっています(上記グラフ)。

藤井:食べ過ぎ注意ではなく、ナッツはむしろ積極的に食べるべき食品なのですね。

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