提供:日本公認会計士協会

2021年11月20日(土)BSテレ東『ネクストリーダーたちの奮闘記~未来プロジェクト2021』に登場した3人の「公認会計士」たち。日本を持続可能な豊かな社会へと導く、彼らのユニークな取り組みを紹介。

「エンタメ」で地方を活気づける公認会計士

 北海道民にはよく知られているエンターテインメント企業「スガイディノス」。従業員は約400名。ボウリング事業、ゲームセンター事業、シネマ事業を柱に、現在は道内にアミューズメント施設16店舗を展開している。

 1918年創業、芝居小屋「札幌館」を前身に、60年代のボウリングブーム、80年代のインベーダーゲームブームに乗って、売り上げを伸ばしたスガイディノス。最盛期には道内に60店舗を展開していた。しかし、レジャーの多様化により、アミューズメント業界は低迷。スガイディノスも、グループの事業再編に伴い、2018年、ついに親会社が経営を手放すことになった。そこで白羽の矢が立ち、事業再構築による経営再建を任されたのが、現会長であり、公認会計士の、小笠原一郎氏。「自身の青春時代を支えてくれたスガイディノスの力になりたい。地方の若者の憩いの場でもあるアミューズメント施設、娯楽の世界を盛り上げ、北海道を元気にしたい」そんな思いで経営を引き継いだという。

<span class="fontBold">小笠原一郎氏</span><br />スガイディノス会長・公認会計士<br />明治大学4年次に公認会計士試験に合格。29歳で独立し、障害者福祉施設の経営を始める。2018年にスガイディノスの経営再建を任され、会長就任。<br />右下写真:クレーンゲーム機を搭載した車「CandY(キャンディ)」号は、軽自動車の駐車スペースがあればどこでも出張可能。イベントでは子どもたちに大人気
小笠原一郎氏
スガイディノス会長・公認会計士
明治大学4年次に公認会計士試験に合格。29歳で独立し、障害者福祉施設の経営を始める。2018年にスガイディノスの経営再建を任され、会長就任。
右下写真:クレーンゲーム機を搭載した車「CandY(キャンディ)」号は、軽自動車の駐車スペースがあればどこでも出張可能。イベントでは子どもたちに大人気

 会長就任後、改革に乗り出した小笠原氏。採算が取れていなかった店舗を閉鎖、社内にはびこる古い体質を改善、さらには、やる気のあるアルバイトを社員に登用し、現場スタッフの裁量で独自にイベントを開催できるようにも。「会社全体のイメージを、おしゃれで先進的な方向に変えていきたい」という小笠原氏の思い通り、社内の空気は徐々に変わりつつあるという。

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大は、スガイディノスにとっても大きな打撃に。一時は売り上げが前年比90%減にまで落ち込み、金融機関に融資を依頼しなければならない事態にまで陥った。そんな深刻な状況を乗り切るために活かしたのが、公認会計士のスキル。「利益計画や、数字の根拠を説明する際に、金融機関に理解してもらいやすい」と小笠原氏は話す。さらに、「スガイディノスを引き継ぐ際にも、投資事業有限責任組合というファンドを設立。こういったやり方も、法律学を理解していないとできない」と、公認会計士の会社経営における可能性や優位性を語る。

 コロナ危機に直面しながらも、新たな取り組みに数々挑戦しているスガイディノス。世界初の移動式クレーンゲーム「CandY(キャンディ)」号は、「遊ぶ場所が少ない地方の町に笑顔を届けたい。コロナ禍でお店に来ることができない子どもたちにエンタメを届けたい」という思いで、1年かけて開発したという。

 「公認会計士は英語に訳すとオーディター。聞く人という意味。400人の従業員の中に眠っているいろいろなアイデアを掘り起こし、地元の魅力と最先端の知識を結びつけて、新しい価値をどんどん世の中に生み出していきたい」と、小笠原氏は今後に意欲を示す。

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