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 宿泊料金というのは、季節や曜日によって変わるもの――。そんな常識を打ち破るホテルが登場した。星野リゾートが2019年2月に開業した「BEB5(ベブファイブ)軽井沢」だ。

「仲間と、好きなようにルーズに過ごせるように」というコンセプトを掲げるベブファイブ軽井沢。菓子や酒を持ち込んでラフな格好でくつろげる空間を演出している。

 日経ビジネスは2019年3月18日号の特集「ダイナミック・プライシング」で、収益力を高めるためにサービスの提供料金を細かく変える施策を取り上げた。料金を、空いている時期には安くすることで稼働率を高め、混雑する時期には高くして客単価を上げるというものだ。

 航空料金やホテルの宿泊料金、ツアー旅行などではすでに一般的となった手法だが、ここ数年で様々なクラウドサービスが登場。値決めの根拠となるデータも豊富になったことで、提示する料金の精度が高まっている様子を描いた。

 しかし、こうした潮流に真っ向から疑問を呈するのが星野リゾートの星野佳路代表だ。「若い世代にもっと旅してほしい」という思いを込めて「ベブファイブ軽井沢」を開業。宿泊者全員が35歳以下であれば、シーズンや曜日に関係なく、2~3人用の部屋に1室1万6000円で泊まれるようにしたのだ。

 背景にあるのが、宿泊料金の変動が若い世代にとってストレスになっているのでは、という懸念だ。「本当は週末に泊まりたいが、高いので別の日を検討しようか」「もっと安いプランが出るかもしれない。様子を見てみよう」。客がそう悩むうちに、旅行自体を面倒に感じているのではないか、と考えたのだ。