1セット1万円強で、しかも無名ブランド。にもかかわらず発売後1時間で30万円超、1カ月で400万円弱をクラウドファンディング(CF)で売り上げた食器がある。「水だけで汚れが落ちる」という特殊塗料メーカーの隠れた技術を世に知らしめる原動力となったのは何だったのか。

 食器の名称は「Earth Gear(アースギア)」。キャンプ用を想定して作られた。最大の特徴は洗剤を全く使わなくても、水だけで汚れを落とせる点だ。

地元大学生が考えた3139ものアイデアから生まれたキャンプ皿「Earth Gear」
地元大学生が考えた3139ものアイデアから生まれたキャンプ皿「Earth Gear」

 コロナ禍では密になりにくいとして、キャンプ人気は一層高まっている。その分、キャンプ場では使い捨て容器をはじめとするゴミや、油や洗剤の流し捨てなども問題とされている。洗剤使用禁止のキャンプ場も増えているが、自宅に持ち帰って洗う際にも結局は洗剤や油汚れを排水溝に流してしまうケースが多い。

 Earth Gearの場合、皿の表面に霧吹きなどで水をかけ、紙で拭き取るだけで汚れが落ちる。Earth Gearには人体に無害な塗料が塗布されている。吹きかけた水が塗料と汚れの間に入り込み、汚れを浮き上がらせる仕組みになっているためだ。洗剤や汚れを流す必要がなく、水も少量で済むため資源の節約にもつながる。

知名度が低く塗料の販売は伸び悩み

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