車軸ローター式と呼ばれる車輪を持たない小型耕運機の分野でシェア5割を誇るホンダ。2020年に発売から40周年を迎えたホンダの小型耕運機の人気シリーズ「こまめ」は、コロナ禍での家庭菜園人気の高まりを受けて販売台数が19年から15%も拡大した。その人気を支えたのは、20年越しで取り組んだ販路の開拓だった。

ホンダの車軸ローター式耕運機「こまめ」
ホンダの車軸ローター式耕運機「こまめ」

 巣ごもり需要によって家庭菜園の人気が高まったコロナ禍。その影響で、2009年をピークに長い低迷期に入っていた耕運機市場も20年の出荷台数は前年比1%減と下げ止まった。その中で特に好調だったのが小型耕運機に強みを持つホンダだ。20年の耕運機販売台数は前年比8%増。とりわけ小型軽量の「こまめ」は販売台数が前年から15%も増えた。プロ農家の需要が減る中、長期的に開拓してきた家庭菜園の需要を捉えた。

四輪より長い耕運機の歴史

 ホンダの耕運機事業の歴史は四輪事業より長い。四輪に参入する4年前の1959年に最初の耕運機を発売。その後、機械を前進させる機構と畑を耕す爪が一体となったコンパクトなつくりを売りにした初代こまめを80年に発売した。市場にはまだ業務用の本格的な耕運機しかなかった時代に、いち早く家庭菜園の市場に着目。クボタやヤンマーといった競合他社が大型の業務用機械に注力する中、「アマチュア・ホビー向けの入門機」というコンセプトで開発した。

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