自宅のドアを開けると待っている猫。ツンとすまし顔だが、実は自分がドアを開ける直前に走って迎えにきてくれているのがデータで分かったら、いとおしく思う気持ちは一層強くなるのではないだろうか。

 そんなサービスが、スマートフォン上で猫の行動データをタイムラインで示してくれるRABO(東京・渋谷)の「Catlog(キャトログ)」だ。センサーを内蔵した首輪型デバイスを通じ、飼い主は外出先でも、走ったり食べたり、毛づくろいしたりといった猫の様子をスマホの動くアニメーションで確認できる。

キャトログのサービスをきっかけに飼い主と猫の距離が近づいていく
キャトログのサービスをきっかけに飼い主と猫の距離が近づいていく

 外出時の見守りという目的で開発されたこのサービスは「ステイホームの流れが定着する中で、猫への愛情が深まるとして需要が高まった」。伊豫愉芸子CEO(最高経営責任者)はこう話す。

 「最近、毛づくろいや水飲みをしたこともわかるようになって、ますますいとおしく感じる」。東京都渋谷区に住む40代の女性会社員は毎日、2匹の猫をキャトログで見守る。

 女性がキャトログを使い始めたのは2019年秋。ペットカメラも使ってみたが、見た瞬間の様子しかわからず、あまり活用できていなかった。猫に特化した見守りサービスがほとんどない中、キャトログは「見た目もすてきで取り入れ方も簡単」とすぐに購入した。

「ペットカメラだと何台も必要」

 女性はキャトログを使ううちに、実用的だと感じるようになった。飼い猫がぼうこう炎になってしまったときのこと。猫は体調不良になっても飼い主には分かりにくいといわれるが、データを見返すと、明らかに運動量が減っていた。それ以降「データを見て気を付けるようにしている」。

 キャトログは首輪型デバイスと中継器、スマホアプリを連携させたサービスだ。クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」で18年に首輪型デバイスの先行予約を開始。19年9月に一般発売してから4か月分の在庫が1.5週間で売れた。

色などの組み合わせは52種類あり、猫の毛色などに合わせて選べる
色などの組み合わせは52種類あり、猫の毛色などに合わせて選べる
ペットカメラでなくキャトログにしたという40代の男性会社員は「猫に合わせてゴールドと黄色の首輪型デバイスにした」という
ペットカメラでなくキャトログにしたという40代の男性会社員は「猫に合わせてゴールドと黄色の首輪型デバイスにした」という

 「ペットカメラは死角があるため部屋ごとに何台も必要。カメラを乗っ取られた場合に部屋の中が丸写しになるリスクもある」(40代男性会社員)。キャトログはこれまでペットカメラなどの購入に踏み切れなかった消費者をつかんだ。

 首輪と中継器を合わせた基本セットの価格は1万780円から。月々のアプリ利用料として無料、380円、580円の3プランから選ぶ。最も人気なのは機能をフルで使える580円の「猫バカプラン」だ。

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