自動販売機の歴史は、紀元前古代エジプトまでさかのぼる。硬貨を投入すると聖水が出る自動販売機があったといわれている。そんな古くからある自販機の商品レパートリーは新型コロナウイルス禍で大きく拡大しつつある。冷凍ラーメンの自販機、冷凍肉自販機、魚の自販機。もともとあったものもいくつかあるが、人との接触を避けたい現代において市民権を得つつある。

 設置場所と電源が確保できれば、文句も言わず24時間販売してくれるわけだ。そんな中、ある地方都市に設置された不思議な自動販売機が、1日数十万円、月1000万円の売り上げを誇っているという。

ふるさと納税も自動販売機で

 静岡県藤枝市。JR東海道本線藤枝駅前に立つ商業ビル「オーレ藤枝」。その3階に、多くの自動販売機(以下自販機)を陳列する無人型店舗「OLE Self & Café」がある。飲料だけでなく、駄菓子やアイス、米、中華、卵、食用コオロギなど多種多様な珍品を販売。コロナ禍で増えつつある、24時間営業の無人販売店だ。

 ひときわ目をひく自販機では「ふるさと納税」が販売されている。その名も「民間設置型ふるさと納税自販機」。寄付金額と返礼品を自動販売機のタッチパネルで選択。自動販売機本体で住所登録して、クレジットカードで決済するだけで納税が完了する。その時間、たったの5分。店員が在席している時間帯であれば、現在ラインアップされている一部の玉露、ロールケーキなどを返礼品として受け取ることが可能だ。税金の控除に必要な書類については、後日郵送で届くという。

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