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 アパレル大手オンワードホールディングス(HD)の新興オーダースーツブランドが売れている。サービスを始めて1年半だが、2019年2月期の売上高は37億円に達した。3万円からの低価格と、最短1週間という短納期で、オーダー品のハードルを下げたことが奏功している。30代と40代を中心に人気を呼び、20代の顧客も増えている。

 傘下のオンワードパーソナルスタイルが2017年10月に立ち上げた「カシヤマ ザ・スマートテーラー」は当初から低価格、短納期の両立を目指したという。かねて関係を深めていた中国の工場を子会社にし、オーダースーツ専門の直営製造工場を確保してコストを下げた。店舗からオンライン発注できるうえ、直営だから顧客に直送もできるので検品回数も減る。従来は3週間ほどだった納期も最短1週間にまで縮まった。

輸送コストを下げ、汚れやシワからスーツを守る圧縮パックや、折りたたむとハンガーになる内蓋を採用した

 物流用の圧縮パックを同社としては初めて導入。パック入りの商品を箱に収め、そのまま顧客に届ける。輸送時の汚れやシワを防止できるため、最低限の梱包で済む。直営工場の運営によるコスト減に加え、輸送費も下がるから値段も下げられた。

 箱の内蓋を折りたたむと、スーツの形を整えるための厚みのあるハンガーが組み上がる。圧縮パックとともに、過剰なものを省いた合理的な印象を受ける。低価格の理由がはっきりするため消費者が納得して買ってくれる効果を生み出している。