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 メーン料理にご飯やスープがついて1000円をやや超えるくらい――。そんな値ごろ感が当たり前のファミリーレストラン業界で、異例のヒットがある。「デニーズ」など700店強の飲食店を展開するセブン&アイ・フードシステムズの「特製 お肉の盛合せプレート」だ。税込み3672円。2018年12月の発売から計画比10倍の売り上げが続く。それはファミレスという業態の今後を占う指針ともなりそうだ。

デニーズダイナー八雲プレステージで提供している「特製 お肉の盛合せプレート」(税込み3672円)。左からローストビーフ、三元豚ロースのオーブン焼き、アンガス牛のグリル。

 東京都目黒区。最寄りの東急・自由が丘駅から歩くこと約10分、高級住宅街の一画に立地するのが「デニーズダイナー八雲プレステージ」だ。もともと通常のデニーズブランドで営業していた店舗だが、高級路線を打ち出した新型店として2018年12月、セブン&アイ・フードシステムズが改装オープンした。

 「おいしい時間へ、ようこそ」。そんなコンセプトを掲げたこの店で目玉商品の一つに位置付けられているのが、3400円(税込み3672円)の「特製 お肉の盛合せプレート」だ。家族や友人とシェアすることを想定し、ローストビーフ、三元豚ロースのオーブン焼き、アンガス牛のグリルの3種類を平皿に盛り合わせる。備え付けの調味料も「ボリビア産岩塩」「トリュフ塩」と本格派だ。

 「もともとは1日1~2食の提供を想定して開発したメニューなんです」と大塚祥子執行役員は明かす。だが、ふたを開けてみれば「平日でも3~4食、週末になると10~20食の注文をいただいている」(大塚執行役員)。

「デニーズダイナー八雲プレステージ」は、ファミレスおなじみのボックス席を設けず見渡しをよくするなど、内装も従来のデニーズとは一線を画している

 デニーズ1号店が日本でオープンしたのは1974年。それから45年、異例のヒットは30~40代の社員が中心に取り組んだデニーズブランドの再構築プロジェクトから生まれたものだった。