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 サーキュレーター付きLED照明のようなユニーク家電で知られるドウシシャの「焼き芋メーカー」が売れている。2017年夏に発売し、初年度は計画比3.5倍の3万5000台を販売した。2年目の今シーズンも好調に推移したという。本来は業務用の調理器具を家庭に持ち込むことで、「外で食べるものを家庭で」「自分でつくる楽しさ」といった付加価値を生み出したようだ。

ヒットした「焼き芋メーカー」と開発した榑林氏

 「焼き芋メーカー」はダッチオーブンのようなすっきりしたデザインだ。蓋を開けると芋が2本入る溝がある。22センチメートル×6センチメートルのくぼみにサツマイモを入れて蓋をすれば、「包み込むように熱が入る」(開発した同社の榑林利之グループマネージャー)。トースターなどで焼くよりも短い約40分で焼き芋が出来上がる。

 発売以来、家電量販店を中心に注文が殺到し、一時は品切れになった。トースターやミキサーなど小型品を中心に手掛ける同社の調理家電部門にとっては「近年まれにみるヒット」(榑林氏)と顔をほころばす。

溝の中に複数のサツマイモを入れることも可能

 ありそうでなかった焼き芋メーカーの着想は、榑林氏がトースターの新製品の企画をしたとき「トースター」と「焼き芋」を同時に検索している人が多いというデータを得たことという。ドウシシャでもトースターの機能に「焼き芋モード」を載せたが、「これを際立たせてみたい」と考えた。

 しかし、経費を見積もると販価は1台8000~9000円になってしまう。16年夏ごろに社内で提案すると「100円で売っている焼き芋もあるのに、買う人はいるのか」という声が上がった。榑林氏自身も半信半疑だったが、ユニークな製品の開発を後押しする社風があり、開発にゴーサインが出た。

 「技術的にはホットプレート」(榑林氏)でしかないというが、溝の表面に凸凹を付けて皮を焦げ付きにくくするなど工夫し、ダッチオーブン風のデザインにもこだわった。