協和キリンが開発した希少疾患用の抗体医薬である「クリースビータ」(一般名ブロスマブ)が快進撃を続けている。売上高は2018年4~6月期に8億円を計上して以降急拡大し、20年10~12月期には173億円に達した。

 2021年の1年間では国内外で827億円の売上高を見込む。製薬業界では年間10億ドルを超える売上高の大型医薬品をブロックバスターと称するが、その仲間入りも視野に入る。

多くのメガファーマがオーファンドラッグの開発に乗り出している(写真はイメージ、PIXTA)
多くのメガファーマがオーファンドラッグの開発に乗り出している(写真はイメージ、PIXTA)

 クリースビータはX染色体連鎖性低リン血症(XLH)と、腫瘍性骨軟化症(TIO)という、非常にまれな疾患を対象とする医薬品だ。米国と欧州で18年4月に発売されて以来、承認国を徐々に増やし、現在は30カ国近くで承認されている。日本では19年9月に承認された。

 現在は協和キリンの当面の成長を担う「グローバル3製品」の1つに位置付けられているクリースビータだが、発売までの道のりは平たんではなかった。というよりも、「患者数が少なくて市場性は乏しいと考えられたことから、米国で承認申請するころまで、社内ではずっと埋もれた存在だった」と、長くクリースビータに関わってきた現執行役員の須藤友浩氏は振り返る。

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