提供:日本コカ・コーラ
日本のペットボトルリサイクルは「さらなる高み」に
清涼飲料に関する業界団体である全国清涼飲料連合会の調査によると、消費者の飲料に対する嗜好性の多様化に伴い、日本国内のペットボトル飲料の生産量は年々増加しており、横ばいもしくは減少している缶や瓶、紙容器の飲料とは全く異なる傾向を示す。シェアで見ても、ペットボトル飲料は全体の約75%に達する。
その一方で、日本はペットボトルのリサイクル率が欧米と比べて高い傾向にある点にも注目したい。PETボトルリサイクル推進協議会によれば、2017年度は使用済みペットボトルの84.8%がリサイクルされている。同年度の欧州が41.8%、米国が20.9%であることを考えると、ペットボトルのリサイクルに対する日本人の意識は極めて高いといえる。
この高いリサイクル率は、日本の政府・自治体・業界団体・各社の連携により、循環利用に関する技術が既にある程度確立していることが背景にある。その意味ではプラスチック製品の中でも、リサイクルの“優等生”といえるだろう。さらに、日本における高いリサイクル率を考えれば、日本での成功事例が評価され、世界に広がっていくことも十分考えられる。
廃棄物ゼロ社会に向けた日本のコカ・コーラシステムの取り組み
米国のザ コカ・コーラ カンパニーは2018年1月に、「設計」「回収」「パートナー」の3つの柱で「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」実現を目指すグローバルビジョンを公表。日本コカ・コーラはこれを受け、同月に「容器の2030年ビジョン」を発表。ペットボトル原材料にサスティナブル素材(リサイクルPET樹脂または植物由来PET樹脂)の採用を進めるなど、2030年に向けた活動を宣言し、国内飲料業界における先駆的取り組みとして注目を集めた。
こうした日本コカ・コーラのタイムリーな取り組みは称賛に値するが、「それ以前の取り組み」にも注目すべきだ。日本のコカ・コーラシステム*では、ペットボトルの軽量化に加え、「注ぎやすさ」と「つぶしやすさ」の双方を実現するデザイン、植物由来PET樹脂の採用といった、ペットボトルに関する環境配慮に以前から取り組んできた。
*日本のコカ・コーラシステムとは、原液の供給と製品の企画開発やマーケティング活動を行う日本コカ・コーラ株式会社と、製品の製造・販売などを担う5つのボトラー社・関連会社で構成されている。
特に、ナチュラルミネラルウォーターブランド「い・ろ・は・す」では、2010 年から植物由来PET樹脂を一部に使用した 「プラントボトル」を導入し、非再生資源である石油への依存を低減し、かつ、自社従来製品ペットボトルと同じ方法で100%リサイクルを可能にしている。

「容器の2030年ビジョン」の発表後、日本コカ・コーラはすぐさま具体的なアクションを起こし、実績をあげている。日本財団との取り組みもその1つだ。日本コカ・コーラは日本財団とともにプラスチック資源の河川への流出メカニズムに関する大規模調査を開始している。日本コカ・コーラの調査では、国内で販売されるすべてのペットボトルのうち、約98%*は何らかの形で「回収」されているという。ただし、残りの2%未満については回収されていないことに着目し、この約98%の回収率をさらに高めるため、残り2%未満の行方を調査し、海洋ごみとして流出するペットボトルを限りなくゼロに近づける努力をしている。
この他、セブン&アイ・ホールディングスと組んで、店頭で回収したペットボトルを再生し、その容器を使った商品を再び店頭で販売するという取り組みも開始している。
*複数の自治体によるごみの実態調査を基に、日本コカ・コーラが推計。
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