2019年2月25日号の日経ビジネスの特集「実録 不正会計」では、粉飾などの手口や背景について分析した。では、実際に不正会計の起きた企業は今、どうしているのか。特集で取り上げた企業の再発防止に向けた取り組みを追った。

二度と過ちを繰り返さないために(写真:shutterstock)
二度と過ちを繰り返さないために(写真:shutterstock)

 不祥事企業が立て直しのために真っ先に取り組むのはコンプライアンス(法令順守)の徹底を図ることだろう。大阪支店での架空工事の発注が明らかになった東証1部上場企業の大豊建設も、大隅健一社長が先頭に立って、コンプライアンス強化に乗り出した。

 社長直轄の監査室を新たに立ち上げて専従の社員を配置。大隅社長自身が、「原価移動」や「協力会社への金品の要求やつけ回し」といった具体的な不正行為も挙げて、再発防止を全社員に呼びかけている。

 社員の意識改革を徹底するために業績評価基準を見直したのがカワセコンピュータサプライだ。帳票印刷やデータプリントサービスを手掛ける同社では営業担当の部長による架空取引が15年に発覚。不正の背景には過度な「売り上げ至上主義」があったとの反省から、売り上げ重視の評価基準を改めた。

 具体的には営業部門ではこれまで「売上高8、それ以外2」の比率で社員の評価をしていたのを「売上高6、それ以外4」の比率に改めた。職場環境の改善といった、売り上げに直結しないような仕事についてもきっちり評価するようにしたという。

 売上高の中身についても、受注金額という「量」に着目していたのを、今は「利益率の高い内製品をどれだけ手掛けたか」など、売り上げの「質」を重視する。

 特集記事でも触れているが、不正会計では子会社で発覚するケースも多い。昭和電工系の化学品商社、昭光通商の場合、14年に買収した子会社がそれ以前から循環取引に巻き込まれていたことが17年になって判明。業績が表面上、好調だったことから、買収後も従来通りの経営体制を維持していたことが、結果的に問題発覚を遅らせることになった。

 昭光通商ではこれを契機に、子会社の管理方法を全面的に見直し、本社と同様の管理体制を敷くようにした。規模の小さな子会社ではどうしても内部監査などの管理体制が甘くなりがち。グループ一体で取り組む重要性を昭光通商の事例は教えてくれる。

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