「闘う仏教」

インド亜大陸の北はカトマンズから南はタミルナドゥまで、改宗したいという声がかかればどこへでも出かけ、戒律を授けた。事故に遭い、4カ月間立ち上がれないほどの腰の怪我を負ったこともある。それでも担架に担がれながら、次の改宗式に向かった。
布教活動と並行し、ヒンズー教の管理下に置かれていた聖地ブッダガヤの仏教寺院の奪還運動を主導。埋もれた仏教遺跡の発掘に携わり、仏教徒の代表としてインド政府の少数派委員会の委員にも就任。集まった寄付で病院や老人ホーム、孤児院を建てた。とにかく、やれることは何でもやった。
標榜するのは「闘う仏教」だ。ヒンズーの神々を向こうに回して活動し、人々を改宗に導いた。なぜ異国の地で闘い続けるのか。「坊さんが、その使命を全うしようとするのは当然のことだ。日蓮上人だってやっている」。佐々井氏はこう呵々大笑する。83歳になった今も、人々の身の上相談に乗り、インド各地を飛び回る。今年10月にはナーグプルで行われる大規模な集団改宗式に臨む。
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