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電機業界、売却続く可能性 シティグループ証券・江沢厚太マネジングディレクター

江沢厚太(えざわ・こうた) 電機業界の証券アナリストを17年間務める(写真:竹井 俊晴)

 電機業界の全体像をみると、多くの企業が企業買収をする計画や予算を持っている。2019年、20年もM&Aが起きる可能性はかつてないほど高い状態が続くと思う。

 蓋然性や論理的には可能性があるという前提で考えると、買収に積極的と考えられるのは、まずNECだ。海外事業を拡大させる計画があるので、監視カメラやサイバーセキュリティ関連で何かが出てくると思う。パナソニックは、(BtoB事業の)コネクティッドソリューションズと、自動車分野は買収する可能性がある。どちらもソフトウエア会社が考えられる。

 東芝は上場連結子会社を完全子会社化する可能性がある。東芝テック、東芝プラントシステム、ニューフレアテクノロジーと西芝電機があるが、このうちいくつかを完全子会社にする可能性があると思う。

 東芝はメモリ事業を売却し、キャッシュはあるが業績の水準が低い。最終損益で安定して黒字を維持することを担保できない状況だ。連結子会社の少数株主持ち分を買い取ることで当期利益の増加が期待できる。

 売却側は結構たくさん候補がある。日立製作所はABBの送配電事業を買収するが、連結上場子会社をまだ持っている。親会社のコントロールがきかないので、最終的には長く続いた親子上場は完全な解消に向かうと思っている。

 ソニーはスマホ事業のうち海外の事業を売却する可能性がある。国内は黒字で海外は赤字だ。ソニーは通信の技術開発は社内で継続したい考えとみられ、一部の事業は残しておいた方が研究開発費を吸収してくれるのでメリットがあると考える。残すなら国内事業だろう。