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「アクティビスト」が沈静化する さわかみ投信・澤上篤人会長

澤上篤人(さわかみ・あつと) 1947年、愛知県名古屋市生まれ。ピクテジャパン(現・ピクテ投信)代表取締役を務めた後、96年にさわかみ投資顧問(現 さわかみ投信)を設立し、99年には「さわかみファンド」を設定。同ファンドの純資産総額は約3000億円。(写真:北山 宏一)

 金融市場では、凄まじい変化が今まさに始まりつつある。リーマンショックへの応急対処として始まった史上空前の金融緩和が金余りバブルをもたらし、世界中の株価や不動産価格の上昇を引き起こした。だが、米国の利上げなどを通じて、先進国を中心に逆転現象が始まりつつある。金融市場は既に不安定化しだしているが、2019年はこの流れがより明確化する一年となるだろう。

 M&A関連では、物言う株主「アクティビスト」の発言力が低下すると予想する。これまで低金利による運用難を背景に、世界中の年金基金などが、少しでも運用リターンを引き上げようとアクティビストファンドに資金を振り向けてきた。おかげでファンドは、豊富な資金を元に積極的に企業の株を買い集め、経営に注文をつけることができた。

 アクティビストは利益を回収するために、短期的な株価上昇につながるM&Aや、企業の成長率に見合わない配当の拡大などを要求してきた。しかし、金融市場での金余りは終焉を迎え始めている。アクティビストファンドへ流れていた資金がすっと引く可能性は高い。市場が正常化すると言ったほうが良いかも知れない。

 先進国で利上げが進むと、銀行からの巨額借り入れを通じた超大型M&Aも鳴りを潜めるだろう。一方、企業のコア事業を成長させるためのM&Aは、国内外で引き続き活発に行われると見ている。