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 旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)が、ビジネスホテルを展開する東証1部上場のユニゾホールディングスに対してTOB(株式公開買い付け)を実施することが10日、日経ビジネスの取材で明らかになった。ユニゾHDを持ち分法適用会社にすることでビジネスホテルの運営ノウハウなどを吸収し、ホテル事業を一段と強化する計画とみられる。

「変なホテル」を展開するHISがホテル事業を強化する(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 10日にも発表する見通し。HISは2019年3月末時点でユニゾHD株を4.52%保有する筆頭株主だが、TOBで40%程度を追加取得し、保有比率を約45%まで高める。TOB価格は直近の株価に対して5割以上のプレミアム(上乗せ幅)をつけた1株当たり3000円以上になるもようだ。仮にTOBがもくろみ通り進んだ場合の買い付け総額は500億円前後になるとみられる。

 ユニゾHDの2019年3月期の連結売上高は前の期よりも7%多い560億円、同純利益は4割増の119億円と好調だ。主力は不動産事業とホテル事業。「ホテルユニゾ」「ユニゾイン」「ユニゾインエクスプレス」の3ブランドで全国に20以上のビジネスホテルを展開するホテル事業は、新規物件の稼働もあり増収を続けている。

 HISは主力の旅行事業のほかにホテル事業も手掛けている。国内では都市部を中心にロボットが接客する「変なホテル」のブランドで10以上を展開、海外ではグアムリーフホテルのほか、台湾ではグリーンワールドのブランドでホテルを運営している。

 HISがユニゾHDと組めばビジネスホテルのような効率的、かつ大規模なホテル運営ノウハウを手に入れることができる。ユニゾHDの持つ不動産情報の活用もメリットが大きいと判断したとみられる。ユニゾHD側にもHISのネットワークを生かせば旅行者の集客が可能になり、客室稼働率の上昇につながるなどの利点がありそうだ。

 今後の焦点はユニゾHD側がHISのTOBにどう対応するかになりそうだ。ユニゾHDはこれまで、「HISが水面下で打診していた資本業務提携の検討要請に応じてこなかった」(ユニゾHDと取引のある金融機関)経緯がある。HISはこれまで、株式市場でユニゾHD株を少しずつ買い集めながら経営陣に対話を求めてきた。ユニゾHD側がTOBに応じなければ、敵対的TOBに発展する可能性もある。

 TOBが計画通りに実行されてもHISの株保有比率は45%にとどまるため連結子会社にはならない。HISはユニゾHDの経営の独立は尊重する方針とみられる。

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