東芝は6月22日、筆頭株主で15%強の東芝株を保有するシンガポールのファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントなど2つのアクティビスト(物言う株主)から株主提案を受け、いずれにも反対すると発表した。エフィッシモは3人、同じくシンガポールに拠点を持ち東芝株4%を保有する3D・オポチュニティー・マスター・ファンドは2人の社外取締役の選任を要求している。特に注目されるのはエフィッシモの提案だ。施行されたばかりの改正外為法に正面切って挑む本気度を見せたからだ。

東芝は2つのファンドから社外取締役を選任する株主提案を受け、反対している(写真:つのだよしお/アフロ)

 エフィッシモの株主提案は竹内朗氏、杉山忠昭氏、今井陽一郎氏の3人を社外取締役として選任する内容。東芝側が提案している取締役候補12人に反対しているわけではなく、3人を取締役の陣容に加えてほしいというものだ。株主提案に反対している東芝は取締役会議長の小林喜光氏が22日のオンライン記者会見で「外国籍4人の取締役を含めバランスの取れた配置であると考え、指名委員会で会社提案を決めた。株主と対立する意図はまったくない」としている

 3人のうち竹内氏はコンプライアンス、内部統制、コーポレートガバナンスを専門とする弁護士。杉山氏は花王で執行役員として法務コンプライアンス部門を指揮した経験を持つ。そして最大の焦点は今井氏だ。エフィッシモの創業者かつ役員だからだ。

 アクティビストが自らのメンバーを社外取締役候補者として出してくることは決して珍しくはない。しかし今回は覚悟があるようだ。今井氏を候補者にすると、5月に施行されたばかりの改正外為法の事前審査対象に該当するためだ。

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