全1726文字

 定食チェーン大手、大戸屋ホールディングス(HD)と、大戸屋HD株を19%保有する筆頭株主の外食大手、コロワイドの対立が抜き差しならない状況に陥っている。大戸屋HDは6月25日の株主総会で、買収を視野に取締役会の刷新を狙ったコロワイドの株主提案を否決したが、その過程で両社の確執が一段と深まる事態が相次いだからだ。事態を収拾する余地はあるのだろうか。

大戸屋HDの窪田健一社長。総会後の記者会見で「株主からは『頑張れ』と言っていただいたのだと思う」と話した

 大戸屋HDは6月29日、株主総会におけるコロワイドの議決権行使に関するリリースを発表した。この総会では、株主提案を出したコロワイドの議決権が「株主提案に賛成」でカウントされなかったことが関係者を驚かせた(コロワイド、大戸屋株主総会で失態、自社提案に拍手せずを参照)。総会当日、株主総会に出席していたコロワイド社員が、議長の窪田健一・大戸屋HD社長から「(株主提案に相当する)第3号議案に賛成する方は拍手をお願いします」と求められた際に拍手をしなかったためだ。

 コロワイド側は「総会に出席した社員からは拍手をしたと報告を受けている」と反論するが、29日のリリースで大戸屋HDは改めて拍手がなかったと表明した。コロワイドの求めに応じて裁判所が任命していた中立の総会検査役が、議場での目視およびビデオ映像による確認も重ねたうえで拍手をしていないことを確認したと主張している。大戸屋関係者も「複数人であらゆる角度からこのコロワイド社員が拍手するか注視していた。拍手の音は一切しなかったし、見落としもありえない」と強調する。

 今回の株主総会では事前の議決権行使で株主提案が可決される見込みがなくなった。このため当日はマークシートなどによる厳密な投票ではなく、拍手という簡潔な形で議案の採決を行っている。総会検査役は今後、拍手をしていないことを盛り込んだ正式な報告書を提出する。