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日経ビジネス編集部は関係者からカルロス・ゴーン氏と日産自動車幹部との間でやり取りされたメールを入手した。メール全文と日本政府が用意したとされる文書の全文を4回にわたって掲載する。今回は2018年4月28~29日のメール。日仏政府のやり取りが本格化する動きが見て取れる。

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From:川口均(編集部注:日産専務執行役員)
To: カルロスゴーン氏、西川広人氏
Cc: ハリ・ナダ氏(編集部注:日産専務執行役員)
2018年4月28日
件名:日仏政府の動き

ゴーンさん、西川さん

 日仏政府間でルノー・日産連合の将来について起きていることの進捗をお知らせします。

 4月9日に経済産業省の多田局長(編集部注:当時の製造産業局長)から経済・財務省のフォーレ局長に書簡を送ったものの、フランス側からの返事がなかったので、経産省は再度、今度は世耕大臣から書簡を送ることに決めました。

 大臣からの書簡となればおのずと政治的・外交的な影響があるため、経産省は書簡を送る前に外務省に知らせることにしました。

 「世耕大臣からフランス政府に書簡を送る予定だ」と、外務省の欧州局長が駐日フランス大使のピック氏に連絡したところ、大使は2つの理由から延期を求めました。

 まず、多田氏の書簡への返事をAPE(編集部注:仏政府保有株式監督庁)が準備している最中であること。次に、フランス大使館の経済公使であるムルルヴァ氏が、APEと話すためにまもなくフランスに向かうためです。

 ムルルヴァ氏は経産省に対して、「APEのビアル氏(編集部注:長官)が5月中旬に経産省と話すために日本に来る予定である」と話しました。そこで、経産省は5月中旬では遅すぎると伝えました。

 ようやく、ビアル氏と多田氏の電話会談が、5月7日に行われることに決まりました。

 この結果をもって、経産省は、書簡を延期するか否か、世耕大臣と本日もう一度話しあうようです。経産省の担当者はおそらく大臣は延期を受け入れるだろうと話しています。

 もう少し詳しくわかったら、またお伝えします。その間、何か指示があれば教えてください。

 よろしくお願いします。

川口均