全1996文字

日経ビジネス編集部は関係者からカルロス・ゴーン氏と日産自動車幹部との間でやり取りされたメールを入手した。メール全文と日本政府が用意したとされる文書の全文を4回に渡って掲載する。今回は2018年4月23日のメール
関連記事:延期された「世耕書簡」
関連記事:経産省とのすれ違い

→原文

FROM:ハリ・ナダ(日産専務執行役員)
TO: ゴーン氏
Cc:日産・西川社長、ルノー幹部ムナ・セペリ氏
2018年4月23日
件名:APEとのミーティングの概要

親愛なるゴーンさん

 本日、APE(フランス政府保有株式監督庁長官のマルタン・ビアル氏)とムナ(ルノー幹部のムナ・セペリ氏)と会談した結果の概要をお伝えします。

 先週の日産の取締役会を経て、今回は日産の将来の立場がどうなるかについて憶測せず、文章として具体的に宣言しない方がいいのではないかと考えました。

ゴーン氏に送られたメールの文面

 ビアル氏は、あなたが再任された上で、ルノーのCEOとして、またアライアンスのCEO兼会長として何らかの発言をするには、ルノーと日産の取締役会が(両社の)将来について(統合についての)共同宣言を出す必要があると言っていました。あなた(ゴーン氏)がこれまで様々な状況の時にアライアンス会長として言ってきたことは、日産とルノーの取締役会の支持を受けたうえでの発言だと見なしてきたと。

 そこで私はビアル氏に、日産の取締役会にとりルノーの取締役選任についてコメントすることは前例がなく、(日産とルノーの取締役会による)共同宣言という話が一体どこから出てきたのか予想もできないと伝えました。この話はここで終わり、ビアル氏は(この件については)ムナに短いメッセージを送ると言いました。

 ビアル氏は、ムナを介して彼が私に送ってきた文書についてどう思うか私に聞いてきました。ルノーと日産の株主にとっての両社の統合の利点について簡潔に記した文書です。私は、文書は非常に簡素で、日産の株主による議論や展望の答えにはなってないと伝えました。

 またビアル氏は、日産は現状維持を望んでいるのかとも聞いてきました。私は、日産を代表して話す立場にはないものの、以前に議論した内容から、日産は統合よりも現状維持を望んでいるようだと言いました。ただ、数週間前に我々が議論した原則に沿い、株式保有のリバランシング(再調整)をするのであれば、日産は現状維持よりもそちらの方が望ましいと思うかもしれないと付け加えました。