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 どのような経営者が注目されるかは、その時代の経済や産業を映す鏡だ。日経ビジネスでもこれまで、その時代を代表する経営者が誰なのかを浮かび上がらせる企画を掲載してきた。例えば1981年9月21日号の特集「読者が選ぶ名経営者」。戦後の最も優れた経営者が誰なのかをアンケートで調べた。

 圧倒的1位は、当時松下電器産業(現パナソニック)相談役の松下幸之助氏だった。3位に入った本田技研工業(ホンダ)最高顧問の本田宗一郎氏も含め、日本を代表する企業を生み、育てた創業者が上位に並ぶ。2位の土光敏夫氏、4位の石坂泰三氏のように日本経済団体連合会の会長に就いた「財界人」の存在感も大きい。高度経済成長の風に乗り、国際化・貿易自由化の大きな流れを作った人物が評価された。

読者が選んだ昭和の名経営者ランキング
1位 松下幸之助(松下電器産業相談役)
2位 土光敏夫(経済団体連合会名誉会長)
3位 本田宗一郎(本田技研工業最高顧問)
4位 石坂泰三(元経団連会長)
5位 井深大(ソニー名誉会長)
6位 桜田武(日本経営者団体連盟名誉会長)
7位 出光佐三(出光興産店主)
7位 小林一三(阪急グループ創始者)
9位 倉田主税(元日立製作所社長)
9位 盛田昭夫(ソニー会長)
注)「日経ビジネス」1981年9月21日号に掲載したランキングを再掲。企業・団体名などは当時のもの

 「失われた30年」ともいわれる平成で、日本経済の主役は大きく変わった。バブル経済真っ只中だった平成元年(1989年)末の東証の時価総額のトップは日本興業銀行(現みずほ銀行)で約15兆円。上位10社のうち銀行・証券が7社を占めていた。それが2019年3月末ではトヨタ自動車(20兆1670億円)を筆頭に、ソフトバンクグループやキーエンス、武田薬品工業、ソニーなどグローバルで戦う企業が並ぶ。

 「(経営者は)時代とともに出てくる」。1981年の日経ビジネスの記事で、松下幸之助氏はこう語っている。松下氏が予言した平成という時代が生んだ経営者は誰だろうか。

日経ビジネスでは4月21日まで「平成を代表する経営者」のアンケート調査を実施しています。回答はこちらから。