自身の取締役選任を定時株主総会に提案すると表明した瀬戸氏(写真:的野 弘路)

 LIXILグループの瀬戸欣哉氏が4月5日、日経ビジネスのインタビューに応じ、CEO(最高経営責任者)に復帰した場合、シンガポールへの本社移転やMBO(経営陣による買収)を実施する考えはないことを、強調した。これらの計画は、瀬戸氏をCEOから解任し、自らその座に就いた創業家の潮田洋一郎会長が推進して、瀬戸氏と経営方針を巡って対立する要因の1つになったことが、日経ビジネスの取材で明らかになっている。

 瀬戸氏は同日、自らを含む8人の取締役選任を求める議案を株主提案をする意向を記者会見で表明。「やはり俺が立つべきだと思った」とし、取締役に選任されたらCEOとして再び会社を率いたい考えを明らかにしている。主な一問一答は以下の通り(インタビューの詳細は4月8日に公開します)。

そもそも、潮田氏との対立の原因はどこにあったのですか。記者会見では、(カーテンウォール事業を手掛ける伊子会社)ペルマスティリーザを巡る方針がその1つだったと発言していますが、日経ビジネスの取材では、潮田氏がシンガポールへの本社移転やMBOを画策していたことも要因であることが分かっています。

瀬戸欣哉氏:それは言えないですね。そこは、取締役の責務として、公表されていること以外の取締役会での議論の中身や経営上の課題を話すことは許されません。自分がCEOでトップのときは執行役会で行われていることを自分の責任で話せると思いますが、自分がトップでないときは、そこは自分では判断できません。そういう意味で、過去の議論に関してしゃべること制限されています。

会見でも、潮田氏はシンガポールに住んで、正しい経営判断ができるのかと疑問を呈していました。

瀬戸氏:一般論として、それはそうだと思います。誰が考えても、よその国に住んでいながら、ほかの国の経営をすることは相当難しいですよ。

CEOに復帰できた場合には、ペルマの事業からは撤退すると明言していますが、シンガポールに本社を移転したり、MBOをしたりという選択肢については、いかがですか。

瀬戸氏:一般的な質問に対する答えとして、もし仮に自分がCEOのときにそういうオプションが提示されたらどうかと言えば、シンガポールに本社を移転することはありません。MBOについては、オプションとしてないということではなくて、その考え方自体があまり好きではないということです。

 自分の考えが必ず正しいわけではないので、MBOが正解というケースもあり得る気はします。ただ、MBOはそもそもが難しい問題を含んでいます。結局、自分が株主になるわけです。投資家と経営者の両方を兼ねることになり、投資家である自分だけを有利にしないように、公正な視点で経営をするのは難しいと思います。

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