全4806文字

LIXILグループに対し、潮田洋一郎会長兼CEO(最高経営責任者)と山梨広一COO(最高執行責任者)の取締役からの解任を目的とする臨時株主総会の招集請求をした大株主たち。その連携を主導した英機関投資家、マラソン・アセット・マネジメントと、賛同した英ポーラー・キャピタル・ホールディングスの代表者が日経ビジネスのインタビューに応じた。ポイントは、今回の請求を株主の利益を代弁すべき社外取締役がどのように受け止めるかだと話す。インタビュー全文を公開する。

LIXILグループに対し臨時株主総会の招集請求をした英マラソン・アセット・マネジメントの髙野雅永・東京事務所日本調査担当(左)と、英ポーラー・キャピタルの小松雅彦・日本における代表者兼調査部長

潮田CEO、ならびに山梨COOの取締役からの解任を目的とする臨時株主総会の招集請求に踏み切ったのはなぜですか。

英マラソン・アセット・マネジメントの髙野雅永・東京事務所日本調査担当:今回、臨時株主総会の招集請求をした機関投資家4社の共通項は、LIXILグループのガバナンスを問題視しているということです。これまで、株主としての責任をどう果たすべきか、様々なオプションを走りながら考えてきました。

※関連記事:不可解な瀬戸氏の“解任劇”

 昨年12月17日に会社側は一部の機関投資家向けに、瀬戸欣哉氏がCEOを辞任し、潮田氏がCEO、山梨氏がCOOに新たに選任された経緯について説明会を開き、今年2月25日には弁護士による調査・検証結果の報告書を要約して公表しました。その間、様々な報道もありました。

 潮田氏がウソを言ったかどうか、会社側はそれをコミュニケーション・エラーと言うのかもしれませんが、経営陣変更の経緯に関する株主の疑問に対して、真摯に向き合ったとは決して思えません。大幅に内容が削られた報告書の要約を読んだだけでも、明らかに株主に対する裏切り行為がありました。

※関連記事:LIXIL、CEO退任手続きの検証結果でガバナンス不全を露呈

 報告書は法的には有効だという結論にしていますが、法的に有効かどうかを論じる以前に、十二分に株主の信頼を裏切りました。そのような人たちに、経営をゆだねられるのかどうか。アセットオーナーから資産を預かっている株主として、信用できない人に経営を託し続けることはできません。

 信用できないなら株式を売却してしまえばいい、という意見もあるかもしれません。しかし、アセットオーナーから資産を預かっている我々としては、運用責任を果たすためにも、株主として必要なアクションは取るべきだと判断しました。短期的なキャピタルゲインではなく、長期的なガバナンスを改善するために、全てのステークホルダーにとってプラスになることをするのが、株主責任を果たすことだと考えています。

 マラソンはLIXILの株式を約16年間持ち続けてきました。我々は長期的な視点に立ち、経営者と建設的な対話をしてきている投資家で、今回のようなアクションは全く異例のことです。しかし、株主責任を果たすために、このような対応を取る決断をしました。

英ポーラー・キャピタルの小松雅彦・日本における代表者兼調査部長:我々は問題のある会社にアクティビスト的に投資をしているのではなく、長期で企業価値の向上を目指して投資をしています。そこに、このような問題が起こりました。それに対して株主責任をしっかりと果たすために、このようなアクションを取らざるを得ませんでした。我々のような普通の投資家が、株主責任を果たすために声を上げて立ち上がったことの意義は大きいでしょう。

 また、今回、共同で招集請求をしている米タイヨウ・パシフィック・パートナーズは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資金の運用も委託されています。公的年金も運用しているような機関投資家も共同で招集請求をしているのです。