スカイマークが債務超過寸前に追い込まれている。このため、融資する金融機関の一部は100億円規模の増資を求めていることが分かった。仮に増資などで難局を乗り切っても、資金の必要な2つの大きな課題がさらに待ち受けている。

スカイマークの佐山展生会長(手前)は同社に50.1%出資する投資ファンド、インテグラルの代表でもある(写真:Aviation Wire/アフロ)
スカイマークの佐山展生会長(手前)は同社に50.1%出資する投資ファンド、インテグラルの代表でもある(写真:Aviation Wire/アフロ)

 スカイマークは2021年3月期に300億円の営業赤字になることが濃厚だ。そのまま最終赤字として計上すると債務超過になるため、実質的な税金の前払い分を資産計上する「繰り延べ税金資産」を計上し、債務超過を回避しようとしている。

 繰り延べ税金資産を想定通り計上でき、3月末の債務超過を回避しても、4~6月の航空需要が低迷すれば6月末までに債務超過に陥る可能性がまた出てくる。次に考えられる選択肢は増資だ。

 債務超過、あるいは融資に関わる財務制限条項(コベナンツ)への抵触などによって貸倒引当金の積み増しに至ることを恐れる融資元の一部が、少なくとも100億円規模の増資を求めている。これに対し、スカイマークとしては繰り延べ税金資産を計上できるという前提で、増資は必要ないとの姿勢だ。

 航空各社は相次いで増資を実施している。ANAホールディングス(HD)と日本航空(JAL)は20年11月に相次いで大規模な公募増資の実施を発表。中堅のスターフライヤーは既存株主のANAHDなどを引受先とする第三者割当増資などで最大約110億円を調達する計画だ。

 現在、スカイマークの株主は投資ファンド、インテグラル(50.1%)と三井住友銀行・日本政策投資銀行が折半出資するファンド(33.4%)、ANAHD(16.5%)だ。スカイマークの場合、既存株主の出資比率に応じて新株を割り当てる株主割当増資が第1の選択肢となる。

 三井住友銀行と日本政策投資銀行にとっては、スカイマークは融資先でもある。数年後に航空需要が回復し、利益を出せるようになるという見込みが立てば、合わせて約33億円の追加出資の実施は合理的な判断といえる。

共同運航できていないANAの姿勢は

 ANAHDとしては積極的に追加出資する理由はない。ANAHDの出資は、スカイマークと共同運航(コードシェア)を実施し、羽田空港の発着枠を実質的に増やす狙いがあったが、スカイマークがANAの予約システムへの参加に難色を示していることでいまだ実現していない。追加出資しても持ち分が変わらず、状況が好転することはほぼない。

 一方で追加出資を見送る決断をする理由も見当たらない。

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