一時は「Go Toトラベル」などで回復した航空需要。先行きが見通しにくい状況が大きく変わっているとは言えない
一時は「Go Toトラベル」などで回復した航空需要。先行きが見通しにくい状況が大きく変わっているとは言えない

 スカイマークの利用率が相対的に下がった要因の一つには大手による値下げがある。JALは20年10~12月に旅客単価が前年同期比9.1%下がり、ANAHDは7%下落した。スカイマークも割引キャンペーンを展開してきたが「大手の運賃が安いなら大手に」という客は少なくなかった。

 利用率の低下が持つ意味は大きい。同社のビジネスモデルは、大手に比べて遜色のないサービス品質を維持しつつ、利用率を高めて運賃を抑える「半LCC(格安航空会社)」ともいえるもの。航空アナリストは「大手より利用率が10%は高くないと採算が合わない」と話す。

「単一機材」が裏目に

 同社がボーイング製の小型機「737」しか使っていないことが、苦しい要因となっている。大手は需要に合わせて便数を増減させるだけでなく、機材の大きさも調整し、採算性を高めている。単一の機材を使うという点は、15年の経営破綻後の効率化に貢献してきたが、現在は裏目にも出ている。

 またスカイマークは現在国際線を手掛けておらず、大手と比べれば、運賃が上がって実入りのよくなった国際貨物事業という収益源がない。

 同社は20年5月、コミットメントライン契約に基づき、三井住友銀行とみずほ銀行、りそな銀行から100億円ずつを借り入れた。その数カ月後にはこの300億円の返済期限を延長した上で、新たに200億円の融資枠を設けることで、既存の3行に日本政策投資銀行を加えた4行と合意している。

 資金繰りの面では目先、問題はない。だが経営破綻して以降、スカイマークは最も重要な局面にある。スカイマークに融資する銀行団の一部からは増資を求める声も上がっているが、実現は容易ではない。

 日経ビジネス電子版で配信する後編では増資を巡る水面下での動きと、中長期の経営課題を見ていく。

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