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 オリオンビールが投資ファンドの出資を受け入れる方向になった(関連記事:スクープ オリオンビール、野村・カーライルが買収へ)。海外のネットワークを活用して販路を広げる狙いがあるもようだ。提携先のアサヒビールは自社での海外展開に懸命で、オリオンは別の協力相手が必要になっていた。しかし、ファンドは出資先の利益率を高めた後、通常は売りに出す。オリオンはどこに向かうのだろうか。

 オリオンは2002年にアサヒビールと提携した。アサヒの販売網を活用し、全国にオリオンブランドの商品を販売している。アサヒも自社ブランドとの需要の食い合いを避けながら、販売現場で商材を増やすメリットがあった。

海外での販売拡大を急いでいる(写真=ユニフォトプレス)

 国内のビール類の市場は14年連続で減少を続けており、オリオンの出荷の大半を占める沖縄も市場の持続的な成長は望めない。オリオンは県外市場に期待してアサヒと手を握ったものの、ビール類の課税済み出荷量ベースのシェアは0.8~0.9%と存在感は薄い。

 このため自社で台湾や北米など海外展開を急いでいる。ただ、年間売上高が300億円に満たないオリオンが自力で切り開く販路には限りがある。スーパードライの海外出荷を広げるアサヒは「(海外では)自社の商品を優先したい」(幹部)との意向があり、今後は競合の側面が強くなる。

 オリオンのように生産量が少なく、地方色の強いメーカーの商品は中小ブルワリーが手掛ける風味が多彩なクラフトビールに近い存在と世界では受け止められることが多い。米国を中心に先進国でクラフトビールの市場が広がるなか、野村ホールディングスと米カーライル・グループはオリオンにノウハウと資金を提供すれば一段の成長が見込めると判断した。

国内ではアサヒビールとの提携で沖縄県外の出荷を広げている

 ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)は世界でクラフトビールメーカーの買収に動き出し、日本メーカーに打診したこともある。世界でクラフトビールメーカーの奪い合いが始まっており、野村とカーライルのエグジット(出口)戦略によっては、オリオンが世界のビール大手の傘下に入る可能性もある。

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