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 千代田化工建設を苦境に陥れた背景には、建設するプラントの大型化がある(スクープ 千代田化工が1000億円規模の金融支援要請)。

 発注側のエネルギー企業は規模のメリットを享受するため、プラントの大型化を進めている。特にLNG(液化天然ガス)プラントでは5年ほど前までは中東や東南アジアなどでの生産能力が300万トン前後の案件が多かった。ところが最近ではシェールガスの開発が進む米国で同1000万トン級の案件が増加。建設期間は5年超と以前より6割ほど延びている。

LNGプラントの大型化が進んでいる(写真は米テキサス州のLNGプラント、Bloomberg/Getty Images)

 プラントの大型化は受注するエンジニアリング会社にとっては、受注額が膨らみ、業績への貢献を期待できる。一方で工程管理は複雑さを増す上、建設期間の長期化によって受注時には想定していなかったリスクが生じやすくなる。例えば、ハリケーンなどの災害に見舞われるだけでも、復興需要による人手不足というリスクに直面する。大型プロジェクトでは確保しなければならない人員も多いだけに、人手不足による人件費上昇は巨額損失につながりかねないわけだ。

 今回、千代田が巨額損失を計上した米LNGプラントでも、これまで安い労働力になってきた移民の流入が米トランプ政権下で滞り、人件費が膨らんだことが損失拡大の要因になった。

 苦境に陥るのは千代田に限らない。東洋エンジニアリングは米国のエチレンプラント建設工事の採算が悪化し、18年3月期に最終赤字に転落した。三井E&Sホールディングスは北米のシェールガス開発に関連するプラントと、インドネシアの火力プラントで工事の追加コストが発生。2期連続の最終赤字となる見通しだ。

 東洋エンジは18年11月に投資ファンドのインテグラル(東京・千代田)に優先株を発行し、150億円を調達。三井E&S はリスクの高い海外でのプラント建設事業から撤退する方針。各社とも立て直しが急務になっている。

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