菅義偉政権の強い意向で2021年秋の創設を目指すことになったデジタル庁。コロナ禍で露呈した日本のデジタル基盤の脆弱性もあり、スピードを第一に走り始めている。

 これに呼応するように、矢継ぎ早に提案をまとめているのが自民党のデジタル社会推進本部だ。20年11月17日にデジタル庁の権限を中心とした第1次提言をまとめ、続く12月11日にはデジタル庁を通じて国民に提供するサービスの具体像を第2次提言としてまとめた。22日にはこれらの提案を菅総理に提出した。

 指揮を執るのは自民党税制調査会長も務めるデジタル社会推進本部座長の甘利明氏。デジタル庁の権限を強めれば強めるほど、各省庁の反発も大きくなるはずだが現時点ではスピードが犠牲になっていない。どのように調整を進めているのか、甘利氏に話を聞いた。

自民党税制調査会長でデジタル社会推進本部の座長を務める甘利明衆院議員(写真:的野 弘路)
自民党税制調査会長でデジタル社会推進本部の座長を務める甘利明衆院議員(写真:的野 弘路)

甘利さんは、そもそもデジタルに詳しいのでしょうか?

 まったくの素人です。

にもかかわらず、今回、自民党デジタル社会推進本部の座長として短期間で提言をまとめ上げています。

 環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉をまとめた経験から話をしたほうがいいでしょうね。

 当時、最も重要視したのは各省から集まってきたスタッフ全員を私のほうに向かせることでした。各省が出してくるのは皆、エース級です。過去の通商交渉でも同様ですが、各省から集まってきた人たちがどこを見て仕事をするかといえば本省の意向を見るわけです。こうした人たちに「上司は甘利だ」ということをまず徹底しました。

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