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 だからこそ、我々はあらゆる分野の専門家から様々な観点での見方を持ち寄ってもらい、協議する。そしてそのポリシーは誰しもが見られる形で公表し、策定したポリシーを基に一貫して実行すると決めている。

 それでも我々は万能ではない。やはりミスを犯してしまうこともある。だからこそユーザーや規制当局からのフィードバックを受け、改善を重ねることでしか、こうした問題の解決にはつながらないと考えている。

フェイクニュースに対する取り組みについて伺いたい。

 意図的な誤情報なのかどうか。フェイクニュースは複雑で難儀な問題だ。今になって浮上してきた問題というよりは、昔から長きにわたって存在し続ける問題だと捉えている。

 だが、我々が提供するようなプラットフォームは、情報が伝搬するスピードとスケールを変えてきた。ここについて、我々には大きな責任がある。

 この難しい問題に対して、我々は戦略を策定し、2019年の初めにホワイトペーパーとして内容を発表した。

 戦略は大きく3つある。まず、我々のアルゴリズムの中で、内容のクオリティーがきちんとしたものかどうかを確認するということ。そして、悪意のある人がいたら即座にその対策を取るということ。最後に、ユーザーが何かしらの情報を得るときにはそのときのコンテキスト(前後の文脈)も分かるようにするということだ。

 1点目については正規のクオリティーの高い情報をユーザーにきちんと表示するようにしている。正規のソースから出てくる情報を優先的に表示して届きやすくすることで、流言飛語をまき散らそうとしている人たちへの対策になる。

 2点目についてはポリシーでも禁止しているが、情報源となっている人が明らかに欺いているケースを防ぐことだ。例えば、あたかもフランスから報告しているように見せて日本から発信されているような情報については、閲覧する人に対して正しく伝えるという条件を満たしていない。

 3点目は、より多くの情報を多様な観点から提供することによって成し遂げようとしている。現在、「ナレッジパネル」という機能を検索結果に表示しているが、その情報がほかの観点から見るとどうなのか、自身で判断できるような支援をしている。

 米国と日本を比べると、ファクトチェックのエコシステムは米国の方が進んでいる。我々はこうしたエコシステムをサポートすることで、幅広く情報を提供していきたい。

国のトップがフェイクニュースを流すことへの対策はどうしているのか。

 我々は何が真実で何が真実でないかを判断する立場にいるとは思っていない。報道業界と協業し、デジタル時代のジャーナリズムについて推進する取り組み「グーグルニュースイニシアチブ」を推進しているのは、やはりニュースに関わる人たちが高品質な情報を提供し続けてほしいと願っているためだ。日本でも4000人以上が既にトレーニングを受けている。

日本ではGAFA規制、いわゆるプラットフォーマーに対する規制を強めている。こうした動きについてどう見ているか。

 最初に言っておきたいのは、これまで述べてきた諸問題については、プラットフォーマーだけが解決できる問題ではないということだ。政府だけでも、市民社会だけでも解決しない。一緒に取り組んでいかなければ解決できない問題として捉えている。