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 38歳の若さで環境大臣に就任した小泉進次郎氏に注目が集まる中、規制改革を強力に進めてきた小林史明衆議院議員が自民党青年局長に就任した。青年局は自民党の立党以来続いている組織で、45歳以下の議員で構成される組織。歴代の首相も軒並み青年局長を務めており、小泉大臣も野党時代に30歳で青年局長を務めている。携帯電話市場や放送分野、漁業領域などにおいて、規制改革を推し進めてきた小林氏に話を聞いた。

小林 史明(こばやし・ふみあき)
衆議院議員、自由民主党青年局長。「テクノロジーの社会実装により個人を自由に、社会をフェアに」を政治信条とし、規制改革に注力。第3次安倍改造内閣・第4次安倍内閣においては、総務大臣政務官兼内閣府大臣政務官として、電波・放送・通信関連の規制改革を推進し、楽天の新規参入、携帯キャリアのいわゆる2年縛りの是正など、政策面から通信業界の健全な競争環境作りを実現した。また、自民党行革推進本部事務局長を務め、漁業改革、公務員制度改革をもたらす提言をまとめた。広島7区、3期目。広島県福山市出身。1983年生まれ、上智大学理工学部卒。

約7年にわたって規制改革、行政改革を進めてきたが、根底にある考え方を教えてほしい。

 私はもともとNTTドコモ出身。テクノロジーは個人を自由にする力を持っているし、不平等な環境を是正する力も持っているという信念がある。政治家としてのミッションの根底に流れているのはこの思いだ。テクノロジーが進化し、世の中が変化していく中で、日本を俯瞰(ふかん)すると時代にそぐわなくなっている慣習が散在している。こうしたズレを一つひとつ丁寧に見直していかなければと考えている。

 規制改革は言うは易く行うは難し。最も難しいのは規制によって守られている人たちが存在しているということだ。改革が進めば、当然こうした人たちは厳しい競争にさらされることになる。規制改革に対してあらがうのは当然のことだ。

 規制改革のロジックは行政が作れるが、利害関係者と対話し、理解を進め、説得していくのは政治家の仕事だと思っている。一時の環境変化に及び腰になるのではなく、改革が進めばともに明るい未来が開けるということを丁寧に説明しなければ、なかなか規制改革は進まない。

13年ぶりの携帯電話市場への新規参入が実現した。

 もともとベースにあったのは、スマートフォン。手のひらサイズのスマホはいまやインターネットのメインの入り口となっている。誰しもが持つスマホが手に取りやすくて、分かりやすいものでなければ、テクノロジーに乗り遅れる人たちが出てくる。

 その観点から見たとき、今の携帯電話は決して選びやすい状況にはなっていない。料金も世界的に見て圧倒的に高いわけではないものの、事業者間の競争が落ち着き、高止まりしている。新しいプレーヤーの参入によって再び競争が活発化し、また他事業者への乗り換えも容易にし、選択肢を増やす。これが進めてきた携帯電話市場の規制改革だ。

 楽天の新規参入は行政改革から生まれたものだ。有限資産である電波は、効率的に使う必要がある。以前から防衛省などが使用してきた電波は携帯電話事業者が使いやすい帯域だったが、その領域を開放するためには使用電波の引っ越しが必要になる。それを新規参入事業者に負担してもらおうという形で楽天による参入が決まった形だ。

 楽天の参入遅れについては、もともとの計画通りに進めてもらいたい思いはあるが、新しいチャレンジには当然失敗も起こり得る。その辺については寛容な社会であってほしい。みんな規制改革は進めるべきだ、チャレンジできる国にしようと口をそろえるが、いざ失敗すると批判する。もともとソフトバンクが携帯電話事業を開始したときも、電波がつながりにくいといった問題が起きていた。新しい挑戦者に対してはもっと応援してもよいのではないか。