2022年8月に逝去した京セラ創業者の稲盛和夫氏が考案した経営手法「アメーバ経営」。森田直行・京セラ元副会長は、稲盛氏の指導のもと、アメーバ経営の根幹を成す部門別採算管理の開発や運用を長年担ってきた。全員経営を掲げた稲盛流の経営管理術を知り尽くす森田氏に、社員の力を経営に生かすコツを聞いた。

森田直行(もりた・なおゆき)氏
森田直行(もりた・なおゆき)氏
1967年京都セラミック(現・京セラ)入社。部門別採算制度の確立と運用を担当。87年取締役、2006年副会長。1995年にはアメーバ経営のコンサルティングを手掛ける京セラコミュニケーションシステムを立ち上げる。2010年に日本航空(JAL)の会長補佐、同年副社長。15年からNTMC社長。(写真:加藤 康)

森田直行・京セラ元副会長(以下、森田氏):大学卒業後に京セラに入社して、アメーバ経営の名前で知られている部門別採算管理の開発や運用に携わったそうですね。

森田氏:通っていた鹿児島大学の先生に「工学部応用化学科のOBが設立した伸びそうな会社がある」と紹介されました。それが設立から10年もたっていなかった京セラで、稲盛さんのことも存じ上げませんでした。京セラは生産量が増えて、人も増えていく一方で、利益はまだまだ上がらない状態でした。

 稲盛さんは「俺だけ1人で苦しんでいる。みんなも経営を手伝え」と号令をかけて、小集団の部門別採算制度を始められた。製造の原料、成形、焼成、研磨、検査など、工程ごとに採算管理をしようと取り組みだしたところでした。私は滋賀県にある工場の生産管理に配属されました。当初は納品書発行や倉庫業務をして、それと製造部門の生産実績を毎日計算していました。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り3224文字 / 全文3764文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、11年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「インタビュー」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。