全7491文字

「え、『ぷよぷよ』が、今年の国体に?!」

 ニュースを聞いたときは心底驚いた。正確には国体(国民体育大会)の正式競技ではなく、「いきいき茨城ゆめ国体」の文化プログラム「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2019 IBARAKI」の競技タイトルの1つとして、対戦アクションパズルゲーム「ぷよぷよeスポーツ」が選ばれた、ということだったが、それにしても、各ブロック代表決定戦(8大会)・都道府県代表決定戦(47大会)を、全国のイオンモールの施設(44カ所)で開催した上での全国大会。大がかりにも程があろう。

「ぷよぷよ eスポーツ」。左右で対戦し、上から落ちてくる「ぷよ」を、同じ色をつなげて消していく。一度に、あるいは連続技で大量に消すと、相手に「おじゃまぷよ」を降らせることができる(画像:セガゲームス、以下同)

 かく言う自分は、1993年に出たスーパーファミコン版「す~ぱ~ぷよぷよ」で、ルールのシンプルさと戦略性のトリコになり、「日経ビジネス」編集部の後輩の新婚家庭にハードとソフトを持ち込んで、プチ編集部王座決定戦をやったことがある。その後パソコン誌に異動し、私と打ち合わせをしながら片手操作で1人モードを全クリアするライターさん(野安ゆきお氏)に出会って、この道では勝てない、と静かにパッドを置いた。

 最初の「ぷよぷよ」の発売は91年10月だから、すでに28年もたっている。90年代半ばの大ブームがあったとはいえ、それに乗って事業を拡大し過ぎた開発元のコンパイルは98年に倒産。開発・販売を引き継いだセガは、よくも「eスポーツ」なる概念が生まれる時代までこのIP(Intellectual Property、知財)を守り、育てたものだ。

 「ぷよぷよ」は一般社団法人日本eスポーツ連合(以下JeSU)の公認タイトルであり、セガゲームス公式のトーナメントとして、プロ・一般選手混合競技会「ぷよぷよカップ」と、賞金を稼ぐ「プロ」向けの試合も行われている。全国トップクラスのプロたちが競い合う「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON2 TGS特別大会」は、「東京ゲームショウ2019」(9月12日~15日、幕張メッセ)の大型eスポーツ専用ステージ「e-Sports X BLUE STAGE Presented by PlayStation 4」で、9月15日(日)の午前10時30分から開催だ。優勝賞金は200万円。

 日本のゲーム関連のIPといえば、ポケットモンスター(ポケモン)、スーパーマリオ、セガでいえばソニック、というのが一般的な認識だと思うのだが、「ぷよぷよ」はどのようにしてここまでしぶとく生き残り、存在感を高めてきたのか。セガのキーパーソンにインタビューした。まずは、セガのeスポーツ関連を担当する宮崎浩幸さん(セガホールディングス社長室eスポーツ企画部長、セガゲームス 国内アジア事業部eスポーツ推進室長)から。このインタビューは、ゲーム・デジタルライターの岡安 学氏の後ろにひっついて聞かせていただいた。(聞き手は編集Yこと、山中浩之)

宮崎浩幸セガホールディングス社長室eスポーツ企画部長 兼 セガゲームス 国内アジア事業部eスポーツ推進室長(写真:中村 宏)

岡安 学(以下、岡安): まず、今「ぷよぷよ」のeスポーツはどのような仕組みで運営されているのか、お聞かせください。

宮崎浩幸氏(以下、宮崎): はい。まず「ぷよぷよチャンピオンシップ」、それに付随して「ぷよぷよカップ」がありまして、これはセガの公式大会でいわゆる“興行”、セガがある意味、営利目的でやっている。営利と言いましたが、そこでお金を稼ぐというよりも、「ぷよぷよ」というIPのバリューを上げるためにやっていることです。だから賞金も出ますし、配信もセガの管轄内でやっています。

 もう1つの、国体に付随する文化プログラムの「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」、これは茨城県の国体局(国体・障害者スポーツ大会局)、それからJeSUという業界のeスポーツ団体が主催して、セガはそれをお手伝いしているという立て付けです。

 当然、セガとしてもお手伝いをするメリットはあると思っていて、特に「ぷよぷよチャンピオンシップ」、「ぷよぷよカップ」というのは、参加者にどうやって会場に来ていただくかといった問題や、同じく観覧者に会場まで来ていただくことも考えると、やはり大都市圏での開催となってしまいます。これまではずっと東京でやってきましたが、実は8月24日に初めて、「ぷよぷよカップ」を大阪で開催しまして、まあ、盛況でよかったなと思っているんですけど、じゃあ、九州とか北海道などでもコンスタントにやれるかとなると……。

岡安:地方だと、セガが主導してイベントを行うのは難しい。

宮崎:そこで、セガとしては地域のコミュニティーの一般の方々が「ぷよぷよ」を使っていろいろなイベント、eスポーツ的な取り組みをすることに対して、できるだけサポートを行っています。「ぷよぷよ」というIPを使っていいですかというお問い合わせに対しては、わりとハードルを低くしましょうと。

どんな主催者の方が多いんですか。