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北海道寿都町(すっつちょう)が、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場誘致につながる文献調査への応募の検討を表明した。寿都町は8月26日に議員や産業団体らと意見交換をした後、9月前半にも住民説明会を開催。そのうえで9月中にも応募の是非を決める方針だ。仮に寿都町が応募すれば、2007年に高知県東洋町が応募して以来2件目となる。停滞していた「核のごみ」処分場を選定する議論が一歩進むことになる。ただし、北海道の土屋俊亮副知事らが寿都町を訪れて応募しないよう要請するなど、驚きや反発の声も出ている。片岡春雄・寿都町長に聞いた。

片岡春雄(かたおか・はるお)
1949年生まれ。71年専修大学商学部卒、日本インテリア入社。75年寿都町役場入庁。農政課長や保健衛生課長を経て2001年10月退庁。同年11月寿都町長就任。現在5期目。趣味は仕事とゴルフ。

「核のごみ」の最終処分場誘致につながる文献調査に応募を検討していると表明しました。どのような背景があるのでしょうか。

片岡春雄町長(以下、片岡氏):文献調査への応募の検討は、2019年から議会や産業団体と一緒に開いてきたエネルギー全般に関する勉強会のなかで出てきたものです。

 もともと、寿都町は風力発電を早くから導入してきた自治体です。勉強会では、北海道経済産業局の職員に来てもらい、再生可能エネルギーや原子力発電など日本のエネルギー政策全般を勉強し、地域としてどのように協力していけるかを話し合ってきました。その一環で核のごみの処分の話が出てきました。

 核のごみは最終処分の事業主体が原子力発電環境整備機構(NUMO)なので、今年6月にこちらで説明会を開いてもらいました。そうした勉強会や説明会を経て至ったのが、入り口の議論はありながらも、(核のごみの最終処分場をどこにするかといった)出口の議論がない原発の政策に何とか風穴を開けられないかという思いでした。