渋谷にある改良湯さんでは、多種多様な人々、そして文化が集まる地域性からコンセプトは「渋谷CROSSING」としました。富士山などが描かれるペンキ絵のスペースや銭湯の建物の外壁を、新たなアーティストの作品の発表の場としています。描き変えを前提としたアートウォールは、更新され続ける渋谷ならではの町並みとともに変化し続けます。


地域の特色を設計に取り入れにくいケースもあります。板橋区のクアパレス藤さんはごく普通の住宅地にある銭湯です。他の銭湯のような地域と連携した個性を出しにくい立地でした。そこで、釣りや植物を育てるという、オーナーや共同経営者の親族の方の趣味に結びつけ「テラリウム銭湯」というコンセプトを設定しました。テラリウムとは、地球環境を模しながらひとつの空間にそれらを凝縮することをいいます。リニューアルする前から「水槽と植栽」のある銭湯、という特徴があったので、それをより充実させてコンセプト化した一例です。

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