米国の有力MBA(経営学修士号)スクール、ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院学長を務めるフランチェスカ・コーネリ氏がこのほど来日。このところ変わってきた企業統治やプライベート・エクイティの動向についてインタビューに答えた。イタリア生まれで、2人の娘を持つ母親でもあるコーネリ氏は、仕事とプライベートのバランスについても語った。

(聞き手は日経ビジネス編集部、中沢康彦)

フランチェスカ・コーネリ氏 米ノースウエスタン大学 ケロッグ経営大学院学長
フランチェスカ・コーネリ氏 米ノースウエスタン大学 ケロッグ経営大学院学長
イタリア生まれ。イタリア・ボッコーニ大卒業後、米ハーバード大でPh.D(博士号)取得。 英ロンドン・ビジネス・スクールなどを経て2020年から現職。専門は企業金融、イノベーション政策など(写真:尾関祐治)

世界的な金融緩和の見直し、ロシアによるウクライナ侵攻などによって企業をめぐる経営環境が激変しています。現在の世界経済をどう見ていますか。

コーネリ氏:原油高から始まるインフレや景気後退の懸念、そしてサプライチェーンの停滞などは多くの経済学者が指摘していますから、ここでは別の角度から私の見解を伝えたいと思います。

 ポイントとなるのがグローバライゼーションです。新型コロナウイルスでも政府同士の連携が必要になりましたし、気候変動問題も1カ国だけでは対応できません。テクノロジー企業に対する課税は、20カ国・地域(G20)首脳会議でも取り上げられました。各国が足並みをそろえなければならない場面が増えています。

 今回のロシアとウクライナの紛争によっても、むしろ各国の政府がこれまで以上に連携を強めていかなくてはいけないということが明らかになったと思います。いろいろな問題に国家間で連携しながら進めていく。こうした連携の増加がさらなるグローバライゼーションの進展につながると考えています。

投資家の姿勢が大きく変わってきた

企業金融やイノベーション政策がご専門とおうかがいしています。米IT大手のGAFAの台頭などによって、例えば企業統治に関して世界ではどんな新しい動きがあるでしょうか。またそうした動きから日本企業が学べることがあるとしたら、どんなことでしょうか。

コーネリ氏:いくつかトレンドがありますが、ここではやはり多くの投資家がよりアクティビスト、活動家のような意見を持つようになっていることを挙げたいと思います。株主利益を追求するという主張だけでなく、例えばサステナビリティー(持続可能性)をもっと大切にしてほしいとか、ダイバーシティー&インクルージョン(D&I、人材の多様性とその受容、活用)をもっと企業の活動の中に取り入れてほしいという主張が投資家の中にも生まれてきています。

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