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24時間営業の見直しについて、オーナーの意見をどう受け止めていますか。

 前提として、加盟店オーナーは労働者ではなく、事業家です。事業家としてお客様のニーズに応え、店舗の売り上げを伸ばしたいと思うオーナーが大多数です。また、複数店を経営したいと考える人も多い。人手不足の問題はもちろんありますが、24時間営業問題についても、増収を目指すオーナーのことをメインに考えなければなりません。

 営業時間短縮の実験に参加している加盟店は現時点で20店ほどですが、苦渋の決断の末に手を挙げています。売り上げが下がるので、彼らもできれば営業時間は縮めたくない。時短営業という判断で商圏のニーズを満たせるのかどうかが重要です。「時短営業すると収益が下がると証明するのが今回の実験の目的」という指摘もありますが、決してそんなことはありません。

「見切り販売をすると契約更新できなくなる」など、本部による圧力の存在を指摘する声もあります。

 見切り販売の制限は一切やっていないと断言します。実際、数百店が見切り販売をしていますし、中には素晴らしい方法論を持ったオーナーもいます。見切り販売の権利はオーナーにあります。「ノー」と言うことはあり得ない。

 ただ、見切り販売をすれば粗利は下がりますし、価格への信頼感が失われる可能性があります。ブランド品を値下げするとブランドそのものを毀損するのと同じことです。見切り販売で収益が下がってしまった場合、現場担当者が見切りをやめるよう助言することはあり得ますし、そうすべきだと思います。見切り販売をするオーナーが多数派ではないのは、彼ら自身が収益の低下や価格への信頼感の低下を真剣に危惧しているからです。

 本部が加盟店に「販売ノルマ」などを押し付けるというのも誤解です。例えば、急に気温が上がると冷やし中華がよく売れますが、OFCが朝の天気予報を見て、冷やし中華を多めに発注すべきだと加盟店に伝えたとします。そのときに理由を説明せずに結論だけを伝えてしまうと、強要したような言葉尻が残ってしまう。後からでも理由を説明してフォローすべきです。こうしたコミュニケーションがフランチャイズビジネスの「いろは」の「い」です。

今回、役員が実際に加盟店を回ることで、オーナーと本部のコミュニケーションが深まったといえる出来事はあったのでしょうか。

 「加盟店が本部に払うチャージが高い」という意見がありましたが、設備投資や販促策といった形で加盟店に返ってくることを説明し、理解してもらえました。例えば1500万人以上に上る「7iD」会員のデータを利用すれば、お客様個々人の購買行動に合わせておすすめ商品の案内やクーポンを送ることができる。これまでは商品ごとの売れ行きをPOS(販売時点情報管理)システムで把握し、マス向けに販促をかけてきましたが、今後は個人に合わせた販促という軸が加わることになります。

 問題はチャージに見合う満足をオーナーが感じられる手が打てるかどうかに尽きます。セブンイレブンの日販(1店舗・1日当たりの売上高)は他社に比べ高い水準ですが、さらに上げ続ける施策を打ちます。日販が下がった時期もありましたが、「近くて便利」を掲げた施策に切り替えてからは微増に転じました。オーナー側の利益も上がっています。

コンビニ業界では以前から、大量出店による国内市場の飽和を問題視する声もあります。まだ出店余地はあるのでしょうか。

 出店の担当者は5年後、10年後、15年後の人口動態を確認し、人口が増える場所では店を増やし、人口減の地域では駐車場を広げるなどして店を活性化する方針を取っています。

 かつては、車で来店する若者を主な客層と考えていました。しかし現在は50代が客層の中心となり、歩いて来店することが多い。そうなると、商圏というもののあり方が大きく変わってきます。お客様のニーズにどう応えるかによって、「飽和」かどうかは違ってくるということです。我々が新しい販促策や商品を開発し続けられるかどうかにかかっていると思います。