新型コロナウイルス禍で外出の機会が減り、動画の閲覧が増えたのと同じようにラジオを聴く人も増えた。音楽配信市場の拡大もあって、音声コンテンツによる耳の隙間時間の奪い合いが激しくなった。ラジオとして今後重視する事業について、ニッポン放送の檜原麻希社長に話を聞いた。

檜原麻希(ひわら・まき)氏
檜原麻希(ひわら・まき)氏
1985年慶応義塾大学卒業後、ニッポン放送入社。2011年編成局長、15年取締役編成局長、16年営業担当取締役、18年常務取締役。ラジオと通信の融合を進める。19年より在京キー局初の女性社長に就任。幼少期や高校時代はロンドン、パリで過ごした。

ラジオの接触時間5割増

コロナ禍の2年間に、パソコンやスマートフォンで聴ける一般のアプリ「radiko(ラジコ)」でラジオを聴く人が増えました。

檜原麻希・ニッポン放送社長(以下、檜原氏):どのメディアもそうですが、コロナ禍で2020年4月に緊急事態宣言が発令された後、視聴者の接触率が非常に高まりました。在宅勤務が増えたり、巣ごもりを余儀なくされたりしたためです。ラジオもその中の一つで、増えた数字を比較的維持できています。

 それは、数字にも表れています。ラジコ全体の聴取者(ユニークユーザー)数はコロナ禍以前と今を比較すると約11%増えていますし、接触時間は50%ぐらい増えています。一時期ラジオから離れた大人がラジオを再認識するようになったり、ラジコを通じて若者がラジオのファンになったりしています。

ニッポン放送では、テレビでいう視聴率にあたる数字「聴取率」はどうなっていますか。

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