東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランド(OLC)はコロナ禍の2021年3月期、上場来初の連結最終赤字541億円を計上した。同リゾートが位置する舞浜への一極集中から脱却し、新規事業の創出を目指して20年6月に全額出資のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)、オリエンタルランド・イノベーションズを設立した。活動開始から約1年の歩み、今後の事業の方向性などについて、同社の豊福力也社長に聞いた。

オリエンタルランド・イノベーションズ代表取締役社長。2004年に新卒でオリエンタルランド入社。人事部、OLC出資先ベンチャーへの出向、グループ会社管理、自社農園の立ち上げなどを経験し、経営戦略部を経てオリエンタルランド・イノベーションズ設立と同時に社長就任。東京大学法学部卒、テキサス大学オースチン校経営大学院修士課程修了(MBA)
オリエンタルランド・イノベーションズ設立の経緯を教えてください。
豊福力也氏:OLCグループとして新規事業を作っていきたいというのが狙いとしてあります。過去も合併・買収(M&A)や自社での取り組みをしてきましたが、残念ながら現状ではそれらがディズニーリゾート以外の事業の柱にはなっていません。地理的にも事業的にも舞浜から外に出て事業を作っていきたいという思いがグループとしてあり、その一つのやり方としてCVCという形をとりました。
コロナ禍にある20年6月というタイミングでの設立を巡り、グループ内で議論はありましたか。
豊福氏:もともとは19年11、12月ごろからCVC設立の検討を始めていました。リスクの観点からすると舞浜への一極集中から、それを分散していくことが目的だったので、そのリスクがある意味、コロナで顕在化しました。コロナが直接的なきっかけではないですが、コロナ禍でより会社設立の意義が高まり「じゃあスケジュール通りやろう」ということで、このタイミングでの設立に至りました。やるべきだということにグループ内で異論は全くありませんでした。
設立からの活動内容を教えてください。
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